Core i7-9700 ベンチマーク!Core i7-8700や9700Kとの比較も
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Core i7-8700の後継CPUであるCore i7-9700が浸透するのに随分と時間がかかりました。特にBTOパソコンのおいてはずっとCore i7-8700搭載モデルが主流で、なかなかCore i7-9700に移行しませんでした。
しかし2020年になってやっとCore i7-9700搭載デスクトップが増えてきました。Core i7-9700を搭載したゲーミングPCをレビューする機会があったので、ベンチマークスコアを計測してみました。
Core i7-9700のスペック
まずはCore i7-9700の基本スペックを確認しましょう。
コア数 | 8 |
スレッド数 | 8 |
定格動作周波数 | 3.00 GHz |
最大動作周波数 | 4.70 GHz |
L3キャッシュ | 12 MB |
TDP | 65 W |
Core i7-8700は6コア・12スレッド、最大動作周波数4.6GHzなので、スレッド数は減って最大動作周波数は向上しています。またコア数も増えているためシンプルな性能は上がっているのですが、エンコードのようなスレッドをフル活用するような用途だとCore i7-9700が負けてしまう可能性があります。
ちなみにCore i7-9700Kは8コア・8スレッド、定格3.6GHz、最大4.9GHzです。TDPは95Wに上がってしまうものの、重いゲームならCore i7-9700KやCore i7-9700KFのほうが向いています。
Core i7-9700のベンチマークスコア
次に各種CPU用ベンチマークソフトで計測したスコアをご紹介します。ベンチマーク環境は以下のとおりです。
OS | CPU |
---|---|
Windows 10 Home 64bit | Core i7-9700 |
メモリ | グラフィックボード |
16GB PC4-21300 | GeForce GTX1660 SUPER 6GB |
ストレージ | チップセット |
512 NVMe SSD + 1TB HDD | B365 |
ドスパラのGTX1660 SUPER搭載ゲーミングPC「ガレリア XT」を使用しました。比較対象のCore i7-8700やCore i7-9700Kもドスパラ製ゲーミングPCです。
CINEBENCH R15
シングルコア | マルチスレッド | |
---|---|---|
Core i7-9700 | 201 cb | 1362 cb |
Core i7-8700 | 198 cb | 1367 cb |
Core i7-9700K | 209 cb | 1399 cb |
やはりシングルコアは動作周波数が高い分だけCore i7-9700のほうがCore i7-8700より高いベンチマークスコアが出ました。ただ面白いことにマルチスレッドはCore i7-9700とCore i7-8700がほぼ同等です。スレッド数の差を動作周波数とアーキテクチャの進化で埋めたと考えられます。
CINEBENCH R20
シングルコア | マルチスレッド | |
---|---|---|
Core i7-9700 | 478 cb | 3029 cb |
Core i7-8700 | 473 cb | 2933 cb |
Core i7-9700K | 490 cb | 3333 cb |
CINEBENCH R20はシングルコアもマルチスレッドもCore i7-9700が上回りました。これならもうCore i7-8700を選ぶ意味はなさそうです。もちろん価格が安い場合はCore i7-8700でいいでしょう。そしてCore i7-9700Kはシンプルに高性能ですね。
7-Zip
CPU使用率 | 評価 / 使用率 | 評価 |
---|---|---|
765 % | 5099 MIPS | 38859 MIPS |
総合評価はCore i7-8700より27.9%高く、Core i7-9700Kより0.7%高くなりました。Core i7-9700とCore i7-9700Kの差が思ったよりもありません。
CPU-Z
Single Thread | Multi Thread | |
---|---|---|
Core i7-9700 | 545.0 | 3740.2 |
Core i7-8700 | 512.1 | 3740.8 |
CPU-ZはCINENBENCH R15と似たようなベンチマークスコアになりました。シングルスレッドのスコアはCore i7-9700のほうが6.4%高いです。
CrystalMark 2004R7
ALU | FPU |
---|---|
189204 | 116994 |
8コア・16スレッドのRyzen 5 3600は209368 / 129780だったので、コスパではCore i7-9700が負けています。今後の展開次第も気になりますが現段階ではRyzen優勢です。
x264 FHD Benchmark
fps | エンコード時間 |
---|---|
46.38 | 54秒 |
H.264のエンコード性能を計測しました。エンコードを高速にしたり、ゲーム配信を快適にしたいならもっと高性能なCPUを検討したいです。例えばハイエンドなCore i9-9900KSは62.88 fps、40秒でした。
3DMARK FireStrike
Physics Score | 18192 |
---|
総合的に比較するとCore i7-9700はCore i7-8700から順当に進化したように感じます。デスクトップゲーミングPCにおける2020年の定番CPUとしてしばらく君臨することでしょう。もちろんもっと高性能なCore i7-9700Kやコスパの良いRyzen 5やRyzen 7も候補に入ってくるので選ぶのがなかなか難しい時期だとも思います。