Core i5-9400F、Core i7-9700KF、Core i9-9900KF等、2019年になってからINTEL CPUに「F」付きモデルが増えています。Fがあるのとないのとではどのような違いがあるのか、そして性能に差はあるのかを比較していきます。ここではCore i9-9900KFを扱います。

Core i9-9900KFのスペック

まずはCore i9-9900KFの基本スペックを確認しましょう。

コア数	8
スレッド数	16
定格動作周波数	3.60 GHz
TB最大動作周波数	5.00 GHz
キャッシュ	16 MB
TDP	95 W

スペック上はCore i9-9900KFとCore i9-9900Kに違いはありません。Fは「内蔵グラフィックスなし」を意味しているため、CPU単体では映像を出力できません。つまりパソコンにグラフィックボードを搭載することを前提としたCPUです。

だからBTOゲーミングPCに採用されるCPUは徐々にF付きへと移行しています。F付きのほうが安いので当然でしょう。少し前まではCore i7-9700KやCore i9-9900Kだったのが、Core i7-9700KFとCore i9-9900KFが増えてきました。

Core i9-9900KFのベンチマークスコア

次に各種CPU用ベンチマークソフトで計測したスコアをご紹介します。ベンチマーク環境は以下のとおりです。

OS	CPU
Windows 10 Home 64bit	Core i9-9900KF
メモリ	グラフィックボード
16GB PC4-21300	GeForce RTX2080 8GB
ストレージ	電源ユニット
512GB NVMe M.2 SSD + 3TB HDD	700W 80PLUS GOLD

先程レビュー記事をアップした「ガレリア ZG」です。おそらく通常はCore i7-9700KFなのでしょうけど、無料アップグレードでCore i9-9900KFになっていました。比較対象のCore i9-9900Kは「ガレリア ZZ」です。

CINEBENCH R15

シングルコア	マルチスレッド
216 cb	2029 cb

Core i9-9900Kは216cb / 2015cbでした。シングルコアのスコアを完全に一緒、マルチスレッドは誤差の範囲です。

CINEBENCH R20

シングルコア	マルチスレッド
511 cb	4957 cb

Core i9-9900KでCINEBENCH R20を使用したことがないので比較できません。Core i7-8700だと461cb / 2688cbでした。

7-Zip

CPU使用率	評価 / 使用率	評価
1521 %	3438 MIPS	52324 MIPS

7-Zipは7z形式への圧縮・解凍をするためのソフトウェアです。圧縮・解凍の速度を計測するベンチマーク機能が内蔵されています。Core i9-9900Kは52293 MIPSだったのでやはり同等の性能です。

CPU-Z

Single Thread	Multi Thread
561.6	5175.6

Core i9-9900Kは561.6 / 5175.6です。わずかな差ではありますが、全体的にCore i9-9900KFのほうが高いスコアを出せています。

CrystalMark 2004R7

ALU	FPU
260088	237852

整数演算速度の「ALU」と浮動小数点演算速度の「FPU」がCPUの項目です。ALUはCore i9-9900Kのほうが高く、FPUはCore i9-9900KFのほうが高いです。

x264 FHD Benchmark

fps	エンコード時間
60.72	42秒

Core i9-9900KFがエンコードに向いているか確認しました。Core i9-9900Kが60.72 fps、Core i7-9700Kが53.63 fps、Core i5-9400Fが34.28 fpsです。

結論としてCore i9-9900KFとCore i9-9900Kの性能に違いは見られませんでした。全部誤差の範囲に収まっています。Core i9-9900KFのほうが安い価格なのは確かなので、ゲーミングPC用CPUで迷っているならCore i9-9900KFをおすすめします。

Core i9-9900KF搭載ゲーミングPCのレビュー