ゲーミングPCにおすすめのCPUと選び方
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CPUとは?CPUの意味と役割
パソコンには無くてはならないパーツ「CPU」。CPUはCentral Processing Unitの略で、日本語だと中央演算処理装置という意味です。パソコンでの役割は演算です。そのため人体の頭脳に例えられることが多いです。演算が早ければ早いほどパソコンが高速に動作します。
ただ、演算だけをやっていたのは昔の話です。今はCPUがメモリやグラフィックボードとのやり取りも実行しています。以前に比べるとチップセットの役割が減りました。
また、最近のCPUには内蔵グラフィックが搭載されていることが多くなり、動画再生を滑らかにしたり、軽いゲームなら動かせたりするようになっています。つまりどんどんCPUの機能や役割が増えてきています。
ゲーミングPCを購入する際にまずグラフィックボード選びから始まると思います。グラフィックボードがゲームにおいて最重要なのは間違いありません。でもCPUによってもフレームレートが変わってきます。CPUがボトルネックになってゲームがカクカクするなんてこともあります。
そこでこの記事ではBTOゲーミングPCにおけるCPUの選び方を解説していきます。自作ではなくBTO、汎用的ではなくゲーム用・・・と限定的な内容になりますが参考にして頂ければ幸いです。
CPUの種類と世代
まずCPUにはたくさんの種類があります。調べてみると本当にたくさん出てきてしまい、訳がわからなくなって悩むのも仕方がないことです。そこで少しずつCPUの種類を細分化していきます。
インテルとAMDの違い
インテルとAMDが2大CPUメーカーです。どちらもアメリカの企業です。たまに「日本製CPUってないの?」みたいな疑問・質問を目にしますが残念ながらありません。
出典:https://www.cpubenchmark.net/market_share.html
2016年第1四半期の時点ではインテルのシェアが80%、AMDのシェアが20%です。しかもその差は開く一方です。実際、ほとんどのパソコンメーカーがインテルCPUを採用しています。AMD CPU(APU)は激安PCに採用されているくらいです。
BTOゲーミングPCにおいても同様で、インテルCPUが圧倒しています。例えばドスパラのガレリアシリーズにAMD CPUを採用したデスクトップはこれしかありません。一方、インテルCPUを採用したデスクトップゲーミングPCは65種類もあります。
ドスパラはまだいいほうです。G-Tuneとパソコン工房(レベルインフィニティ)、エイリアンウェアにはAMD CPUを採用したゲーミングPCはひとつもありません。ゼロです。
つまりインテルとAMDの違いを知る必要などなく、そもそもAMD CPUが選択肢としてあがらないのです。自作をするなら好きな方を選べばいいでしょう。しかしBTOゲーミングPCならインテルCPU一択です。ちなみにAMD CPUを搭載したBTOゲーミングノートPCってこれまで一度も見たことがありません。
[2017年8月追記] 2017年後半からAMD Ryzenシリーズが登場し、状況が変わってきています。Ryzen CPU搭載のゲーミングPCに興味がある方は「Ryzen5、Ryzen7シリーズ搭載のおすすめゲーミングPC」の記事をご覧ください。
インテルCPUの種類と世代
というわけで、BTOゲーミングPCを買うならインテルCPUから選ぶことになります。インテルCPUには様々な種類があります。主に以下のシリーズが有名です。
- Core i シリーズ
- Celeron シリーズ
- Pentium シリーズ
- Xeon シリーズ
- Atom シリーズ
それぞれ性能、用途、価格が全然違います。BTOゲーミングPCだとCore i シリーズが主流です。他のシリーズは格安PC用、タブレット用、サーバー用等のためゲーミングPCにはほとんど関係がありません。
Core i シリーズは第1世代から始まり、現在の最新が第9世代です。この記事を書いている時点だとBTOゲーミングPCは第8世代、第9世代を扱っています。それ以外の世代は知らなくて大丈夫です。
第8世代「Coffee Lake」
2018年まで主流だったのが第8世代です。デスクトップゲーミングPCもゲーミングノートPCも第7世代から第8世代への移行がほぼ完了しました。
Coffee LakeとKaby Lakeの主な違い
- Core i3, i5, i7はコア数が2つ増加
- 定格クロックは全体的に引き下げ
- 代わりにターボブースト時の最大クロックが向上
- Core i5, i7の対応メモリがPC4-19200からPC4-21300になり、高速になった
一番の違いはコア数でしょう。ここ10年くらいはCore i5やCore i7のコア数は4つでした。Coffee Lakeはその見事に破壊して、Core i5は基本的に6コア・6スレッド、Core i7は8コア・16スレッドになりました(それより多いCPUもあります)。AMD Ryzenシリーズに対抗した形でしょう。
ゲーミングPCで人気の第8世代CPU
型番 | 定格クロック数 | オーバーブースト時 | コア数 | スレッド数 | TDP | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i7-8700K | 3.7GHz | 4.6GHz | 6 | 12 | 95W | 2017年11月2日 |
Core i7-8700 | 3.2GHz | 4.6GHz | 6 | 12 | 65W | 2017年11月2日 |
Core i5-8500 | 3.0GHz | 4.1GHz | 6 | 6 | 65W | 2018年4月3日 |
Core i5-8400 | 2.8GHz | 4.0GHz | 6 | 6 | 65W | 2017年11月2日 |
Core i7-8750H | 2.2GHz | 4.1GHz | 6 | 12 | 45W | 2018年4月3日 |
第9世代「Coffee Lake Refresh」
2019年に主流なのが第9世代です。デスクトップゲーミングPCもゲーミングノートPCも第8世代から第9世代への移行が完了しつつあります。
ゲーミングPCで人気の第9世代CPU
型番 | 定格クロック数 | オーバーブースト時 | コア数 | スレッド数 | TDP | 発売日 |
---|---|---|---|---|---|---|
Core i9-9900K | 3.6GHz | 5.0GHz | 8 | 16 | 95W | 2018年11月2日 |
Core i7-9700K | 3.6GHz | 4.9GHz | 8 | 8 | 95W | 2018年11月2日 |
Core i5-9400F | 2.9GHz | 4.1GHz | 6 | 6 | 65W | 2019年2月1日 |
Core i7-9750H | 2.6GHz | 4.5GHz | 6 | 12 | 45W | 2019年4月24日 |
デスクトップゲーミングPCだとまだCore i7-8700が一番人気です。ハイスペックだとCore i7-9700K、Core i9-9900K(あるいはCore i7-9700KF、Core i9-9900KF)、格安なものだとCore i5-8500かCore i5-9400Fが多いですね。
ゲーミングノートPCだとCore i7-8750Hがほとんどですが、一部Core i7-9750Hが出てきています。 Coffee Lakeと比較すると最大動作周波数が大幅に向上しているのでかなり良いのではないかと思います。
インテルCPUのアルファベットの意味
このように型番をずらずら並べても多くの方には意味不明だと思います。例えばCore i7-7700、Core i7-7700K、Core i7-7700HQって名前が似てますよね。でも性能、用途、特徴は大違いです。
インテルCPUは型番の後ろにアルファベットを付けることで、用途や特徴を表しています。このアルファベットを「サフィックス」と呼びます。どのような意味があるのか一部をご紹介します。
- X : 非常に高性能
- K : アンロック対応
- F : 内蔵グラフィックなし
- T : 低消費電力を重視
- H : モバイル用
- HK : モバイル用でアンロック対応
- HQ : モバイル用でクアッドコア
- U : モバイル用で超低消費電力
基本的にはこれだけ知っておけば充分です。デスクトップゲーミングPCだとKとXくらいしか見ないと思います。「X > K > サフィックスなし」と覚えておきましょう。ゲーミングPCにはサフィックスなしかKがおすすめです。
第九世代からは「F」が新たに登場しました。Core i5-9400FやCore i9-9900KF等です。内蔵グラフィックスがないため、グラフィックボード搭載を前提としています。つまり主にゲーミングPCに採用されるCPUです。FなしのCPUよりも安く、今後BTOゲーミングPCでは主流になっていくと思われます。
CPUの性能はどこで決まるのか
そもそも高性能なCPUってなんでしょうか。どういう要因で性能が決まるのでしょうか。CPUには様々な要素、機能があり、単純に語ることは難しいのです。
ベンチマークでスコア化するのが最もシンプルでしょう。しかしベンチマークスコアが高いからといって、特定のゲームやソフトウェアで大活躍するかというとそうでもありません。高額なCPUのほうがゲームのフレームレートが下がるなんて実例もあります。
そこでCPUのどんな項目を見ればいいかを解説します。
動作周波数は処理回数
最初に見るべきは動作周波数です。クロック数と呼ぶこともあります。動作周波数は時間あたりの処理回数を表しています。3Ghzなら1秒間に30億回の命令を実行できます。ただし1クロックあたりの処理能力はCPUアーキテクチャによって異なるため、単純比較はできません。
とは言っても動作周波数が高ければ高いほど処理能力が高いことは間違いありません。ゲーミングPCを買う場合、遊びたいゲームの推奨スペックを調べて動作周波数を確認しておきましょう。
定格とターボブースト
インテルCPUには2種類の動作周波数が存在します。定格とターボブーストです。定格は通常時、ターボブーストは負荷がかかった時に動作周波数を引き上げる機能です。
いつも高い動作周波数だと熱や消費電力の問題が出てきます。そこで負荷がかかった時だけ動作周波数を引き上げることで、トータルで見た時に省電力にしたり高温を防いだりします。
つまりCPU選びで見るべきは定格よりもターボブーストの数値です。CPUによって上げ幅は異なります。最大どれだけの動作周波数が出るのか、ゲーム推奨スペックの動作周波数はどれくらいなのかを確認しましょう。
コアは頭脳、スレッドは仮想的な頭脳
動作周波数と同じくらい(あるいはもっと)大切なのがコア数とスレッド数です。コアとはCPUに内蔵されている頭脳のようなものです。多ければ多いほど並列で処理できるようになるため、動作周波数が同じだったとしてもコア数が多いCPUのほうが高い性能を発揮してくれます。
そしてスレッドは仮想的な頭脳です。例えば4コア8スレッドのCPUは4つの頭脳があり、1つのコアに2つの仮想的な頭脳があるイメージです。
多くのゲームやプログラムは複数のコアに対応しています。1つのコアよりも複数のコアで並列処理したほうが、ずっと高速に演算できます。逆に言えば複数のコアに対応していないプログラムでは高速化できません。
特に動画編集やエンコードは並列処理を積極的に活用しているため、マルチコアCPUが大活躍します。最近のゲームだと4コア4スレッド、4コア8スレッドが推奨されるようになってきています。
TDPは低いほうがいい
性能とは直接関係しませんがかなり大切なのがTDPです。TDPとはThermal Design Powerの略で、日本語にすると熱設計電力という意味です。そのパーツがどれだけ熱を発するかの目安ですね。
TDPが高いパーツばかり搭載すると容量の大きい電源ユニットを選ばなければなりません。負荷のかかる使い方をすれば、当然電気代が高くなります。熱も高くなるので各パーツに優しくありません。さらに温度を下げようとファンが激しく回転してうるさくなります。
基本的に高性能になればなるほどTDPは高くなります。しかし新しいCPUアーキテクチャほど省電力設計になる傾向があり、同じコア数と動作周波数でもTDPが低くなったりします。もちろんすべてがそうではないので低消費電力、低温度、静音にこだわるならCPUのTDPの数値を調べておきましょう。
Core i3、Core i5、Core i7の違い
もう少し具体的な話に移ります。BTOゲーミングPCではCore i3かCore i5かCore i7かさえ決めてしまえば、CPUをほぼ絞り込めます。Core i5なら2種類、Core i7なら4種類程度しかないからです。
例えばCore i7にするならCore i7-7700、Core i7-7700K、Core i7-6800K、Core i7-6950X EEのどれかから選びます(当然時期によってラインナップは変わります)。
ではCore i3、Core i5、Core i7の違いってなんでしょうか。まるでコア数が3つ、5つ、7つあるように思えますがそういうことではありません。例として以下の比較表をご覧ください。
CPU | コア数 | スレッド数 | L3キャッシュ |
---|---|---|---|
Core i7-7700 | 4 | 8 | 8MB |
Core i7-7800X | 6 | 12 | 8.25MB |
Core i5-7500 | 4 | 4 | 6MB |
Core i3-7100 | 2 | 4 | 3MB |
第七世代だとCore i3が2コア4スレッド、Core i5が4コア4スレッド、Core i7が4コア8スレッドなことが多いです。しかし必ずしもそうではありません。Core i7-7800Xは6コア12スレッドですし、Core i7-6950Xは10コア20スレッドです。(ちなみにさらに上位のCore i9シリーズもありますが、ゲーミングPCには高級すぎるのでここでは触れません。)
つまり大まかな違いはわかりますが、厳密に比較するならきちんとCPUの情報を調べるしかありません。しかしながらCore i7 > Core i5 > Core i3という図式は間違っていません。
ではゲーミングPCに4コア8スレッドは必要なのでしょうか?
実際Core i7よりCore i5をおすすめする人はたくさんいます。ほとんどのオンラインゲームでCore i5とCore i7に性能差は出ないからです。そしてCPUよりもグラフィックボードにお金をかけるべきだからです。
私もこの意見は賛成でした。けれども近年ちょっと事情が変わってきたと感じます。Core i7 CPUを推奨するゲームが増えてきたからです。
ゲームタイトル | 推奨スペックのCPU |
---|---|
BF1 | Intel Core i7-4790 |
Fallout4 | Intel Core i7-4790 |
The Division | Intel Core i7-3770 |
Far Cry Primal | Intel Core i7-2600K |
ダークソウル3 | Intel Core i7-3770 |
2016年以降、この流れが顕著になってきました。おそらく今後Core i7を推奨するゲームがさらに増えてくるでしょう。となると無闇矢鱈にCore i5をおすすめするわけにはいきません。
何年も続いているゲームをプレイしたいならCore i5で充分です。そのほうがコスパが良いですからね。でも最新ゲームをプレイしたいと思うならCore i7を選ぶべきです。CPUがボトルネックになると非常に面倒ですから。
ちなみにCore i3を搭載したBTOゲーミングPCはほとんどありません。素直にCore i5かCore i7から選びましょう。
CPUはゲームのフレームレートに影響します
ゲームのフレームレートはグラフィックボードに依存しているからCPUは重要ではない、と考えている人がいるかもしれません。確かにグラフィックボードよりも重要度が下がりますが、CPUによってフレームレートが変わるのは本当です。
以前Fallout4で検証したことがあります。Core i7-4790(定格3.6GHz、4コア、8スレッド)とCore i7-5960X EE(定格3.0GHz、8コア、16スレッド)でどれくらいフレームレートが変わるのかを比較しました。
結果、Core i7-4790のほうが最大25fps高くなりました。コア数とスレッド数はCore i7-5960X EEのほうが多いですし、値段も圧倒的に高いです。でも動作周波数はFalltou4推奨スペックに達していません。
一方Core i7-4790は動作周波数もコア数もスレッド数も推奨スペックを越えています。そのためCore i7-4790のほうが優秀な結果が出ました。
どちらも高性能なCPUなのでこの程度のフレームレート差に収まりました。もしも古くて性能の低いCPUだったら、もっとフレームレートが下がってカクカクしたことでしょう。
つまりなんとなく高級なCPUを選んでも、結果としてコスパが非常に悪くなる可能性があります。逆にCPUの性能が低すぎるとゲームがカクカクしてしまいます。プレイしたいゲームがどういうCPUを推奨しているのかを把握した上で選ぶことが大切です。
CPU内蔵グラフィックスでゲームはほぼ無理
ところでCPUにはグラフィックス機能があります。インテルCPUにはインテルHDグラフィックス、AMD CPU(APU)にはRadeonグラフィックスが内蔵されています。グラフィックボードと同じ役割を果たしてくれます。
たまに知恵袋を見ていると「○○のゲームをやりたいけれど、このスペックで大丈夫でしょうか?」とグラフィックボードがなくて、CPUの内蔵グラフィックスだけでどうにかなると思っている質問があります。
CPU内蔵グラフィックスの宣言文句として「ゲームが動く!」なんて書かれていることがあるので勘違いしてしまうのでしょうけど、ほぼ無理だと思ってください。
ブラウザゲームなら大丈夫です。2Dゲームも問題ありません。しかし3Dゲームになるとカクカクします。グラフィックボードの代わりになるなんてことは絶対にありません。
例えばGeForce GTX970の性能を3DMARKというベンチマークソフトで計測すると、約9500というスコアが出ます。以前インテルHDグラフィックス4600を計測したら583でした。16倍も性能差があります。
3Dオンラインゲームでは軽い部類のドラクエ10ですら、1920×1080の解像度ではかなり厳しい結果でした。ほとんどの3Dオンラインゲームはドラクエ10よりずっと重いので、CPU内蔵グラフィックスでゲームを快適に遊ぶのは私は無理だと考えています。
用途別!おすすめのCPUと選び方
では最後におすすめのCPUをご紹介します。もちろん人によって選ぶべきCPUは異なります。ただ、あくまでもBTOゲーミングPCを主軸として解説します。
最新ゲームをやるならKaby Lake Core i7
Core i7を推奨するゲームが確実に増えてきます。SteamやOriginで最新ゲームをどんどん遊ぶようなタイプのゲーマーにはCore i7をおすすめします。
この記事を書いている時点ではCore i7-8700とCore i7-9700K、Core i7-9750Hが該当します。さらに上位を目指すならCore i9-9900Kがおすすめです。
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>> Core i7-9750H搭載ゲーミングノートPCのレビュー
少し前のゲームをやるならCore i5
みんながみんな最新ゲームをプレイしたいわけではありません。FF14、PSO2、WoT、AVAなどずっと続けている人気ゲームのためにゲーミングPCを新調しようとする人もいるでしょう。
そんなゲーマーにはCore i5をおすすめします。Core i5とCore i7でフレームレートに差は出ないようですし、Core i5を選ぶことでゲーミングPCが安くなります。その分、グラフィックボードやメモリ、SSDなど他のパーツに予算を使えます。
Core i5も第9世代のCoffee Lake Refreshがいいでしょう。Core i5-9000番台がおすすめです。