CPUグリス塗りは布?ティッシュ?グリス塗り替え時の注意点
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CPUの温度を下げる方法として「グリスの塗りなおし」があります。しかし、グリスの塗り直しは数年に一度やるかならないか、という方が多く意外とノウハウが広まっていません。
そこで今回は、改めてCPUグリス塗りなおしにおける注意点などをまとめて紹介します。
CPUのグリスは「傷がつかない素材」で拭き取る
グリスのふき取りに布やティッシュを使用する方がいます。どちらでもある程度グリスは拭き取れるのですが、私はおすすめしていません。
なぜなら、ヒートスプレッダに傷がつく可能性があるからです。ヒートスプレッダに傷がつくと、ヒートシンク底面との密着率が下がり、熱伝導率が落ちてしまう可能性があります。
ティッシュは一見柔らかそうなのですが、繊維があるので傷がつく可能性もゼロではありません。個人的なおすすめはマスクなどに使われている不織布(ふしょくふ)ですね。
不織布は繊維が絡まり合う構造を持っており、傷がつきにくくなっています。カメラやメガネのレンズを拭く布なども不織布が使用されていますので、結構どこにでも売っていますね。
カー用品店などでミラーをふくための布を購入してもよいでしょう。あとはボディを拭くための不織布マイクロファイバータオルでも良いかもしれません。
グリスの正しいふき取り方
グリスは柔らかい状態と固まった状態の2種類があります。なので、状態に応じて適切に拭き取る必要があります。
柔らかい状態の場合は、力を入れずに表面をなでるように拭き取れば問題ありません。問題になりやすいのはグリスが固まった状態ですね。CPUのグリス塗りなおし時は、ほぼ100%固まった状態です。
固まった状態では布でふき取るだけでは完全に除去できません。この場合、油を使用してグリスを溶かしてからふき取る必要があります。身近な油で使えるものは灯油でしょうね。
灯油はすぐに揮発することがないので、不織布に染み込ませてゆっくりとグリスになじませ、拭き取っていけばOKです。
また、意外と使いやすいのがエレクトロニッククリーナー。電子回路の掃除に使う専用の液体ですので、少々ならばマザーボードに垂れてしまっても問題ありません。
あとは自己責任になりますが、自動車用のパーツクリーナーもグリスをしっかりと剥がしてくれます。こちらも不織布に吹きかけてからゆっくり拭き取るイメージです。
単価としては自動車用のパーツクリーナーが最も安いでしょうね。ホームセンターなどでロング缶が400円未満で購入できますから。
「磨き」は必要なし
グリスをふき取る目的は、ヒートスプレッダに新しいグリスを塗るための土台を作ることです。また、グリスを介してCPUクーラー密着性を高めることがCPU温度の低下につながります。
したがって、必ずしもヒートスプレッダをピカピカにする必要はありません。あくまでも、新しいグリスがしっかりと乗れば良いのですから。
必要以上の力を加えず、新しいグリスが均一に塗られるレベルまでふき取ることが十分です。ちなみに私は、ヒートスプレッダの隅のほうに乾いた古いグリスがこびりついていても、小さければそのままにしています。
固着してしまったグリスを無理やりはがしても故障のリスクが高くなるだけですし。あまり神経質にならず「固まって古くなったグリスを新しいものに入れ替える」という意識だけを強く持っていたほうが無難です。
どうしても固着した古いグリスを取り除く炊ければ、プラスチック製のヘラや付かなくなったカード類などで優しく削ってしまいましょう。薄く表面を削るイメージで、できるだけ傷がつかないように作業していきます。
実はコスパが高いグリスの入れ替え
CPUグリスの塗り替えは、材料費を含めても1000~2000円程度しかかかりません。また、作業時間も1時間程度です。一方、グリスが新しくなることでCPUの温度が5~10度ほど下がることもあります。
実はかなりコスパが高い作業のひとつで、私は夏の前になるとグリスの塗り替えやPCケースファンの買い替えを行ったりします。CPUの冷却性能があがると、ファンも静かになり、精神衛生にも良いのでおすすめですよ。ぜひ試してみてください。