SSD NANDのグレードと特徴!最もバランスが良いのはどれか
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SSDは「NAND」の種別によってグレードが設けられています。普段はあまり意識しすることはありませんが、このグレードは価格や品質に影響を与えているものです。
そこで、SSDのグレードごとの特徴を整理しておきましょう。
SSDのNANDによるグレード
SSDはNANDによって主に4つの種類に分類されます。
SLC(シングルレベルセル)
「シングルレベルセル」は、データ読み書きの最小単位である「メモリセル」1個の中に、1bitを格納します。
メモリセルの状態が「有」か「無」かの2つだけなので、素早く状態を判別できることができ、なおかつ読み書きのエラーも少ないのが強みです。
さらにSLCはメモリセルのデータ書き換え回数の上限が高く(約10万回)、耐久性に優れていることも見逃せません。
ただし、メモリセルあたりのデータ容量が最もちいさいため、容量単価は高めです。「高品質・高耐久・高価格」なSSDに採用されています。
MLC(マルチレベルセル)
「マルチレベルセル」(MLC)は1つのメモリセルに2bitを格納するタイプのことです。SLC比で単純に2倍の容量を持つため、容量単価は安いでしょう。
しかし、書き換え限度回数やエラー確率についてはSLCよりも劣ります。ちなみに一般的なMLCでは、メモリセルの書き換え回数の上限は1万回程度であることが多いようです。
TLC(トリプルレベルセル)
「トリプルレベルセル」(TLC)は、1つのメモリセルに3bitを格納するタイプです。
SLCやMLCよりも安く、2021年時点では主流のひとつと言えるかもしれません。
パフォーマンスや耐久性、信頼性はSLCやMLCに劣るものの、「そこそこ安く、そこそこ壊れにくい」のが特長といえるでしょう。
ちなみに近年は、メモリセルを3次元構造で積層する技術(3D NAND)が登場したため、容量や耐久性を高めることも可能です。
QLC(クアッドレベルセル)
「クアッドレベルセル」(QLC)は1つのメモリセルに4bitを格納します。4タイプの中では最も容量単価が安い一方で、書き換え回数は少ないため、耐久性は見劣りします。
ただし、大容量なSSDは大半がこのQLCであり、TBクラスのSSDでは頻繁に採用されていますね。書き込み頻度が少なく、読出しがメインであれば、何ら問題はありません。
「倉庫」のような使い方ならば、最もコストパフォーマンスが高い種類と言えるでしょう。
実際は「TLC」か「QLC」の2択
上記4つのタイプのSSDのうち、SLCは事実上、企業用途に限定されています。つまり、一般の市場にはまず出回りません。
したがって「MLC」が最も高価であり、次いでTLC、QLCが続くという構造になっています。ただし、MLCも単価の高さからそれほど製品は多くなく、実際の市場はTLCやQLCがメインです。
「信頼性が高く高耐久、そして読み書きも速い」というSSDは、大抵がTLCでしょう。逆に大容量で廉価なモデルは、ほぼ間違いなくQLCです。そのため、TLCかQLCを選択することになります。
個人的には「OSやアプリケーション本体をインストールするならばTLC」、「ストレージ、アーカイブ用途ならばQLC」といった使い分けが大事だと考えています。
TLCは大容量なストレージ用途としてはまだ高価ですし、読み書きが頻繁に発生しないデータに対してTLCを使うのは少しもったいないです。
頻繁に読み書きが発生するドライブに対してはTLCを採用して信頼性とパフォーマンスを高め、あまりデータを動かさないドライブはQLCで大容量化していく。
これがコストパフォーマンス的に最適解に近いと考えています。3D NANDの登場で多少事情が変わってきましたが、基本的にSLC>MLC>TLC>QLCという品質の順位は変わりません。
ゲーミングPCならば奮発してMLCでもよいとは思いますが、容量を求めるならば間違いなくTLCかQLCですね。