TDP=消費電力は古い?計算方法と新たな指標
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PCの性能向上に伴い、消費電力と発熱量の管理はますます重要になっています。
特にCPUやグラフィックボードのスペック表に記載されている「TDP(Thermal Design Power)」は、しばしば消費電力と混同されることがありますが、実際には異なる概念です。
消費電力とTDPの関係性
PCパーツのスペック表に記載されている「TDP(Thermal Design Power)」は、しばしば消費電力と混同されがちですが、両者は異なる概念です。
TDPは「熱設計電力」を意味し、パーツが最大負荷時に発生する熱量を表しています。これは設計上、そのパーツが効率的に冷却されるように設計するための指標です。
これに対して消費電力とは、実際に電力をどれだけ消費するかを示すものです。消費された電力は一部が熱として発散されるため、TDPから消費電力を大まかに推測することは可能です。
しかし、TDPは直接的な消費電力の指標ではありません。
実際の消費電力とTDPの違い
実際の消費電力はTDPよりも高くなる場合があります。なぜなら、電力の全てが熱に変わるわけではなく、一部はロスになるからです。
一般的に、TDPに1.3から1.5をかけた値を最大消費電力として見積もると良いでしょう。例えば、TDPが100Wの場合、最大消費電力は130Wから150W程度となります。
ゲーミングPCのような高負荷が予想される場合は、TDPに1.5をかけた数字を最大消費電力として認識すると、安全な電源設計が可能です。例えばCPUのTDPが120Wなら、最大消費電力は180Wを想定すると安全ですね。
Intelの新しい指標:MTBとPBP
近年、Intelは新しい指標としてMTB(Maximum Turbo Power)とPBP(Processor Base Power)を導入しました。これらは、CPUの消費電力に関してより詳細な情報を提供します。
PBP(Processor Base Power)
従来のTDPに近い概念で、CPUが通常動作する際の電力消費を示します。基本的な負荷状態での消費電力を表すもので、設計や冷却システムの基準となります。
MTB(Maximum Turbo Power)
CPUが最大のターボブースト状態で動作する際の最大消費電力を示します。高負荷状態やターボブーストが有効になったときの消費電力を示し、これにより電源設計や冷却システムの設計がより正確になります。
これらの新しい指標により、設計者やユーザーはCPUの消費電力をより正確に見積もることができ、システム全体の効率やパフォーマンスを最適化することが可能となります。
TDPは目安!余裕を持った電源管理を
TDPと消費電力は異なるものであり、TDPは主にパーツの冷却設計のための指標です。消費電力は実際にパーツが使用する電力量を示し、一般的にTDPの1.3から1.5倍を目安にすると良いでしょう。
私の場合、「CPU+グラボのTDP×2」くらいを目安にしながら電源を選んでいますね。CPUがTDP120W、グラボが160Wならば、600W近辺の電源を狙います。
最近は電源の品質が高いのでそれほど心配はいりませんが、TDPの合計とイコールになるような電源選びは避けたほうが無難です。