電源の変換効率を高める「低ESRコンデンサ」とは
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PC用電源を選ぶときには、容量もさることながら変換効率にも注目する必要があります。変換効率が高い電源は、電気を効率よく使えるためPC全体の安定性やパフォーマンス向上に貢献するからです。
この変換効率に大きく影響するのが「コンデンサの質」です。今回はPC電源の質を高める「低ESRコンデンサ」を紹介します。
コンデンサは何をしているのか
まず、コンデンサの役割について簡単におさらいしておきましょう。電解コンデンサの役割は、主に以下3つです。
- 電気を蓄える
- 電気を放出する
- 直流電流を遮り、交流電流を流す
電解コンデンサは、いわば「バケツ」です。回路を水路にみたてると、電気は水であり、コンデンサというバケツによって水路に流れる水の量を調整しています。
もう少し具体的に言うと、勢いよく流れてきた電気(水)は、波立っておりそのままではうまく使えません。この波がノイズです。
コンデンサ(バケツ)で勢いのある水を受け止めると、波(ノイズ)はいったん収まり、なおかつ水の流れが平たんになります。
コンデンサは、回路に流れる電気がノイズで電圧下降や上昇を繰り返すことを防ぎ、平滑化するのです。
コンデンサの能力が高いと、回路全体の電気の流れがスムーズになり負荷変動が小さくなります。その結果、PC全体の動作も安定してパフォーマンスが出しやすくなるわけです。
低ESRコンデンサとは?
近年はこのコンデンサの役割をさらにスムーズに行えるように、「低ESRコンデンサ」が採用され始めています。
低ESRコンデンサとは、通常よりもESR(抵抗成分)が小さなコンデンサのことです。コンデンサの内部は、わずかながら抵抗成分を持っていて、これが小さいほどコンデンサの役割を果たしやすくなります。
現在は、一般的な電解液に代わって導電性ポリマーを電解質に使用し、低いESRを実現するコンデンサが増えてきました。
導電性ポリマーを採用した電解コンデンサは、安定性や需要、信頼性の面で従来のコンデンサ(電解液のみを採用したコンデンサ)を上回るそうです。
80PLUS Gold以上で頻繁に採用される低ESRコンデンサ
もっとも、ここ数年のPC用電源で80PLUS認証を取得しているものであれば、大抵は低ESRコンデンサが搭載されていると思います。
特にGold以上ならば「超」低ESRコンデンサが載っていることも珍しくありません。多くの場合、超低ESRコンデンサは日本製の105℃コンデンサなので、よく見なければわからないかもしれないですね。
変換効率が90%近いPC用電源の大半は、超低ESRコンデンサが搭載されているでしょう。メーカーの呼称が異なるだけで、性能自体は大差ないかもしれません。
ということで、あえて低ESPコンデンサ搭載の電源を探す必要はないと思いますが、もし自分で電源の修理を行う場合には低ESRコンデンサを使うことをおすすめします。
低ESRコンデンサは半導体通販のマルツ(https://www.marutsu.co.jp/GoodsListNavi.jsp?path=1600150005)などで販売されているので、保守用に購入しておいてもよいかもしれませんね。
ちなみに価格は1個100円もしないので、重要さのわりには非常に安価で少々失敗しても財布は傷みません。