ゲーミングPCのOSは「Windowsが最強」である理由
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PCの自作を始めると、世の中には実にさまざまなOSがあることに気づきます。特にLinux系のOSは無料かつ優秀なものが多く、わざわざお金を払ってOSを購入するのがバカらしくなるほどです。
近年、急激に広まっている「Steam OS」もLinuxの一種。しかし、今だにゲーミングPC向けのOSではWindowsが最強だと言われています。なぜなのでしょうか。
ゲーミングPC向けOS=「Direct X準拠」が必須
ゲーミングPC向けOSとしてWindowsが評価されている理由は、「Direct X」に準拠しているからです。
「Direct X」について簡単におさらいしておきましょう。Direct Xとは「ゲームとマルチメディア処理のためのAPIをまとめたもの」です。
microsoftが開発したAPI群であるDirect Xは、すでに20年以上前からPCゲームを動作させるのに欠かせないものとなっています。
Direct Xの中でもとくに有名なAPIとしては、
- Direct3D(D3D):GPUの3D演算機能を呼び出す
- Direct2D(D2D):図形や画像など2次元の描画機能を呼び出す
- DirectX Raytracing:レイトレーシングのための機能を呼び出す
- DirectX Graphics Infrastructure(DXGI):グラボやディスプレイとの通信を制御する
などがありますね。いずれも現代のゲーミングPC環境に欠かせないAPIであり、ゲームメーカーもDirect Xに対応した開発を進めています。
なので、「Direct Xに準拠=ゲームをスムーズにプレイするための最低条件」であり、LinuxはDirect Xに準拠していないために、Windowsの後塵を拝しているというわけです。
Steam OSとWindowsの差は?
ところが最近はSteam OSが登場したことで、ゲーミングPC向けOS=Windowsとは言えなくなってきています。
とはいえ、やはりLinux系ということでDirect Xには対応しておらず、単純にパフォーマンスを比較するとWindowsよりも10%程度落ちるようです。
これは重量級の3Dゲームのみならず、比較的ライトな2Dゲームでも確認されるとのこと。2Dゲームでフレーム落ちが出てしまうようなので、環境によっては快適と言えないかもしれません。
もっとも、近年はSteam OSの開発元であるValve社がDirect3Dの互換API「Vulkan」へ変換する機能を実装しています。
上で述べたようにDirect3D(D3D)はDirect Xの主要なAPIのひとつです。このDirect3D(D3D)をクロスプラットフォーム向けAPIのVulkanに変換することで、実質的にDirect Xの機能を使えるようにしているわけですね。
Direct Xに準拠していないにもかかわらず10%程度のパフォーマンス差で楽しめるのは、この変換機能が効いているからともいえます。
費用を節約するならSteam OSもあり!しかし最強はWindows
ここまでの内容をまとめると、
- Direct X準拠が必須な現代で、Windowsは最強のゲーミングPC向けOS
- Direct Xの一部を変換するSteam OSならば、Widowsよりも少ししたのパフォーマンスで遊べる
ということになりますね。Steamを楽しむだけなら無料のSteam OSで十分ですし、10%の差が気にならないような古いゲームならばWindowsと大差ない体験が得られるでしょう。