OSをインストールするCドライブと、ゲームデータを保存するドライブは分けるべき、という考えが多数派だと思います。

私も長年この考えを支持してきました。しかし、最近はどうもそうとは言い切れないようです。CドライブにはOS以外のデータを置いても問題ないのかを考えてみます。

そもそもなぜ「Cドライブとその他」なのか？

まず、CドライブをOS専用とし、その他のドライブから独立した状態にするのかを考えてみましょう。

Cドライブは、Windowsの中で唯一「ドライブレターが変更できない」場所です。つまり、Cドライブはシステムの起点となる場所であり、重要度は他のドライブよりもはるかに高いのです。

現在出回っているWindowsの祖先ともいえるIBM製のPCでは、もともとフロッピーディスクドライブが2機搭載されており、それぞれ「Aドライブ」「Bドライブ」とされていました。

徐々にHDDが普及し始めると、フロッピーディスクは廃れ、A・Bドライブは消えていきます。しかし、A・Bの次にくる「Cドライブ」だけは、ソフトウェアの互換性を保つために固定されました。

これが、Cドライブがシステムドライブとされる理由です。（ただし、NEC製PCなどではAドライブがシステムドライブであった例もある）

このようにCドライブはWindowsPCの大昔からの仕様の名残で、システムドライブ（OSがインストールされるドライブ）と決められており、重要なデータの塊であるために他のドライブからは切り離されるのが普通でした。

例えば、何らかのデータ破損があってドライブをフォーマットしなおさなくてはならないとき、Cドライブの中を全てフォーマットするとOS自体が消えてしまいますよね。

逆に、Dドライブ以降をいくらいじくりまわしたとしても、Cドライブさえ無事ならばシステムは稼働し続けます。

また、容量的な問題も大きいでしょう。HDDが高額だった時代は、Cドライブに高速で安定性の高いHDDを使用し、Dドライブ以降には安価なHDDを使用するということもありました。

これは現代の「CドライブはSSD、D以降はHDD」という流れにつながっています。

安価に高速大容量なストレージが買える今は？

しかし、今はSATA SSDならばテラバイト単位のストレージが安価に入手できます。安定性や速度も向上し、Cドライブとデータドライブをわざわざ分ける意味が薄れてきました。

何よりも「OS再インストール」の頻度が劇的に低下しています。Windows XPの時代は「不具合が起こったらとりあえず再インストール」という風潮がありましたが、Windows7以降はそうでもありません。

そもそも、Windows10以降はOSのクラッシュもほとんど発生しませんし、様々な批判にさらされながらもWindowsは安定性がどんどん上がっているのだと思います。

ということは、わざわざCドライブだけを独立させる理由もないわけで、「大容量のSSDを買って、Cドライブに全部入れても問題ない」とも言えるわけですよね。

私もサブPCは「Cドライブ一本」で運用しています。Cドライブに1TBのSATA SSDを搭載し、パーティションは区切っていません。OSはWindows10ですが、この状態で3年以上ノートラブルなので、おそらくDドライブを作ることはないと思います。

そもそも、OSを再インストールするような状況ならば、アプリも軒並み入れ直しになるわけですから、パーティションを区切る意味はあまりないのかもしれないですね。

Cドライブ＋外付けSSDが最適かもしれない

安定性が高く、めったに不具合が起こらない環境ならば「PC内のストレージはCドライブのみにして、あとは外付けSSDで賄う」という方法も良いかもしれません。

例えばCドライブはNvme SSDの1TBにして、保管が必要なデータが発生した場合は、随時外付けのSSDに溜めていくという運用です。

ITX規格のゲーミングPCなどで内部に物理的な余裕がない場合には、かなり便利ですよ。また、バックアップとしてクラウドストレージを活用すれば、Cドライブ以外はほぼ必要なくなります。ぜひ試してみてください。