PCケースの「横置き」はNG?OK?
投稿日:
※当ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。
PCは縦置き型のケースが多いですが、これを「横置き」に設置したいという要望をよく聞きます。
確かに横置きのほうが見た目やスペース的に都合が良い事が多いですからね。そこで、横置きによるメリットやデメリットを紹介したいと思います。
縦置き仕様のPCでも横置きはOK!ただし条件が
まず、通常は縦置きを想定しているPCを横置きにすることですが、これは問題ありません。
ネットでは「横置きにするとパーツにかかるストレスが変わって不具合のもとになる」という情報があるようですが、これは間違いです。
そもそも横置き状態は、PCを仮組みするときの自然な配置をそのまま再現しているため、安定性は高いと言えるのです。
具体的には、マザーボードの背面が下にくるようにPCを寝かせれば、PCを組み立てるときと同じ状態になります。
自作の経験がある方はわかると思いますが、マザーボードを下に敷いた状態でメモリ、CPU、GPUを差し込んでいくと、どのパーツにもストレスがかからず自然な状態になりますよね。
横置きは、この状態が続くため「CPUクーラーの重さによるゆがみ」や「GPUのたわみ」などとも無縁であると言えます。
ただし、マザーボードの背面が天井に来るような横置きはNGです。この状態は、すべてのパーツに不自然なストレスがかかるため、大変危険です。
どちらを上にすればよいのかわからない場合は「開閉できる側(フタが開けられる側)」を上にすると良いでしょう。大半のPCケースは、マザーボードの取り付け側が固定されて開かないようになっていますからね。
マザーボードの位置以外に注意すべきポイント
また、マザーボードの位置以外に注意すべきポイントとしては下記が挙げられます。
給排気口をふさがない
一般的なPCケースは、側面に給排気口がないため、そのまま横置きにしても問題ありません。
ただし、側面に吸気ダクトがある場合には、吸気ダクトを塞がないように注意しましょう。側面の吸気ダクトはCPUの冷却に使われるため、CPUがサーマルスロットリングを起こす可能性があるからです。
さらに、「底面吸気・天井排気」仕様のPCケースの場合は、横置きにしたときにケースの左右を塞いでしまわないように注意しましょう。ここを塞いでしまうと間違いなく窒息ケース化し、パフォーマンスが落ちます。
電源ファンの異音がでたら直ちに縦置きに戻す
あまり注目されませんが、実は横置きで最も注意すべきなパーツが電源です。一般的なATX電源やSFX電源は、ファンがPCの底面と並行になるように配置されます。
この状態で回転し続けるわけですが、これを横置きにすることでファンの回転軸が僅かに狂い、「キーン」「ブーン」といった異音を発生することがあるのです。
異音が発生してもすぐに壊れるわけではありませんが、徐々にファンの軸が狂い始め、故障に繋がる可能性も否定できませんからね。
今の電源は品質が高いので、横置きにしたくらいで異音が出ることは稀ですが、予備知識として覚えておきましょう。
モニターを直におくのは非推奨
PCケースを横にすると、ケースの上にモニターを置いて、省スペースな一体型の配置にしたくなりますよね。
しかしPCケースの側面板は、大きな荷重に耐えられるような設計ではありません。27インチや32インチのモニターを置くと、側面板が徐々に歪み、PCケースとしての機能が落ちる可能性があります。
正直なところ、ケースの材質や強度、工作精度によるのですが、念の為あまり重いものは置かないようにしましょう。
サイドフロー型なら横置きは安定する
横置きは安定感と見た目を両立できる配置方法です。私の個人的な感覚では、大型のサイドフロー型CPUクーラーを使用する場合、横置きのほうが自然に空気を取り込んでくれるようなイメージがありますね。
CPUクーラーを交換する際にでも、ぜひ横置きを試してみてください。