静音PCケースは罠?静音仕様が静かにならない理由
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巷では毎年のように静音仕様のPCケースが発売されますよね。しかし、静音化はPCケースだけでは実現しにくいものです。むしろ静音PCケース自体がネックとなって騒音が発生することも…
今回は静音PCケースの落とし穴について整理してみたいと思います。
静音PCケース=静か、とは限らない
一般的に静音PCケースは「密閉性」が高い製品が多いです。この密閉性は、確かにファンの音を外に漏らさないという点では有効でしょう。しかし、裏を返せば「エアフローを作りにくい」ことにもつながります。
正直なところ、静音PCケースは内部に熱がたまりやすい構造のものが多く、温度が上昇した結果、ファンの回転数があがってうるさくなることも…。
また、小型のITXケースなどはそもそもファンを搭載する場所が少ないことから、小さいファンを高回転で回さなくてはなりません。これは非常にうるさいです。
個人的にはフロントパネルが遮音パネルやガラスパネルになっている製品に「罠」を感じますね。
なぜなら、遮音パネルやガラスパネルは「吸気抵抗」が大きく、フロントファンの回転数を上げざるを得ないからです。
また、底面吸気で補っていたとしても隙間が十分にあるタイプでない限りは吸気しません。これは線香の煙などで調べるとよくわかります。
このような静音ケースは「窒息ケース」と呼ばれ、冷却のためには排気ファンを十分に回転させて「負圧」にする必要があります。しかし、排気ファンは騒音の元凶ですから、どうしても静音性は落ちてしまうのです。
真の静音ケースとは?
ここからは私の個人的な意見になりますが、本当に静かなPCを作りたいのであれば、まず「冷却性能」を重視すべきです。具体的には、フロントパネルがメッシュ構造になっていて、12~15センチファンを2~3つ搭載できるタイプが良いでしょう。
また、排気はリアファンに加えて、天板からも行えるとさらに静かになります。
例えば、フロントファンから取り込んだ空気をリアと天板の3つのファンで排気すると、リアファンの回転数をかなり落とすことができるうえに、PCケース内にホコリも溜まりにくいのです。
さらに、吸気2~3個、排気2~3個のファンを全て1000RPM程度で回すと、ファン1個あたりの音はほとんど聞こえません。高負荷時は全てのファンの回転数を2~3割上げるだけで十分に冷えてくれます。
また、ファンを全てサイズの「KAZE FLEX」のような低回転型の静音ファンに変えてしまうという手もあります。
ミドルレンジクラスの構成ならば、この方法で静音性と冷却性を両立できるはずです。そのためには、何よりも「通気性の良いケース」が有利なのです。
ちなみに、静音性はフレームの頑丈さや立て付けの精度も関係してきます。これらがしっかりしていると「ビビリ音」が出ませんからね。
ということで、通気性が良く、作りがしっかりしていて、ファンをフロント・天板に3つ程度ずつ配置できるPCケースが「真の静音ケース」と言えると思います。
ホワイトノイズで消すという手も
ただし、騒音は人によって感じ方がさまざまですから、上記のような運用でもうるさく感じてしまう人がいるでしょう。
そういった場合は、空気清浄機で音を上書きしてみてください。空気清浄機が出すホワイトノイズは、PCの騒音を非常にうまく隠してくれます。