NVIDIA製グラボの電源ケーブル溶解の原因とその頻度
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2022年11月中旬、NVIDIA製のグラフィックボードの一部で、電源ケーブルが溶解する事案が発生していることが明らかになりました。
NVIDIAが公式に声明を出したもので、私もちょっと衝撃を受けましたね。一体何が原因で溶解が起こり、どの程度の頻度で発生するのかを調べてみたので紹介します。
NVIDIA公式声明の内容
NVIDIAの公式声明によると、以下のような内容が明らかになりました。
- 電源ケーブルの溶解は全世界で50件
- 原因は「ケーブル差し込みが不十分なこと」「製造時に混入した異物の破片」の2とおり
- 溶解が発生した場合は保証で対応される(新品に交換?)
海外の著名なYoutuberによれば、差し込み不十分などユーザーによる過失であっても保証が効くとのこと。
一応、融解が起こったとしてもユーザーが不利益を被ることはなさそうですね。
実は、電源ケーブルまわりの問題はPCパーツ界隈で度々おこっています。
NVIDIAのような大企業が公式声明で発表することは稀ですが、電源ユニットやグラボの補助電源ケーブルなどは、問題が起こりやすいポイント。
では、なぜ電源ケーブルまわりで問題が起こりやすいのでしょうか。
そもそも「半挿し」になりやすい構造がある
今回も原因のひとつに「挿し込みが不十分なこと」が挙げられていますが、そもそも論としてわざと不十分な状態にする人はいませんよね。
ユーザーは、自分なりに「このくらいで十分」という感覚になるまでケーブルを挿し込むわけです。
しかし、それでも挿し込み不十分な状態=「半挿し」になってします。なぜかというと、ケーブルの挿しこみ口自体がゆがんでいたり、最後にひっかかる爪部分の作りこみが甘かったりするからなのです。
以前は、電源ケーブルや補助電源ケーブル回りの成型が荒く、最後まで挿し込みができないパーツが結構ありましたね。最近は本当に少なくなりましたが、だからこそこれだけ大々的な問題になるのだと思います。
グラボの補助電源ケーブルは爪がしっかりとひっかかって「カチ」と音が鳴るまで押し込むことが必要。しかし、成型が甘く音が鳴らない、そもそも爪まで到達できないという場合には不具合が起こりやすいです。
また、あまりにも成型が甘いと、力づくで挿し込んだ結果、ケーブルの挿し込み口自体が破損するというケースもありました。
そのため、「普通ならこれくらい挿し込めばOK」というレベルを超えてもカチっと音がしない場合は、無理に対応せずに保証交換を検討すべきだと思います。
電源/グラボがらみの不具合は最も危険
「溶解」という文字からもわかるように、今回の不具合ではケーブル端のプラスチック部分が溶けています。それだけの高熱が発生しており、放っておくと火災に発展する可能性すらあるのです。
PCは滅多に燃え上がったりしませんが、ほかのパーツに悪影響がでることは十分考えられます。今回のように端子がらみの不具合は非常に危険ですので、違和感を覚えたらすぐに販売元に連絡するようにしてください。
世界でたった50件とはいえ、発生するリスクはゼロではありませんし、単に報告されていない可能性もありますから。