10年間でSSDはどれほど進化したか
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SSD使ってますよね?今やすっかり当たり前になったSSDですが、その登場からすでに30年近く経過しています。
また、一般のPC向けとして普及し始めてからは15年ほど経ちました。SSDの速度はHDDに比べると進化が体感しにくいもの。一体、この10年間でSSDはどのくらい速くなったのでしょうか。
SSDの歴史を簡単におさらい
SSDの原型である「NAND型フラッシュメモリ」が誕生したのは、なんと1986年のことだそうです。
2022年から逆算すると36年も前なんですね。当然このころは今のような形ではなく、一般のPC向けでもありませんでした。
その後、何度かの改良を重ねて1989年に東芝が世界初の4Mbit NAND型フラッシュメモリを発表。また、1991年にはSanDiskが初めてSSDを出荷しています。このときのSSDは容量20MBで価格は1000ドル程度だったそうです。
そこからさらに時が流れて2006年、ついに今のSSDと同じ形の2.5インチSSDが発売されます。そして2007年からはSSD搭載のノートPCも続々と発表されました。
2008年あたりには価格もだいぶこなれてきて、「古いノートPCのHDDをSSDに交換して延命する」というカスタムが流行りました。
2010年にはSATA3.0対応のSSDが登場し、SATA3.0の転送速度をしっかり使いきれるだけの性能が話題になりましたね。以降は、SSDはどんどん転送速度を上げていきます。
10年前のSSDの性能
ここで、SSDが普及し始めて間もない2010年ころのSSDの性能を振り返ってみたいと思います。
2010年は、一般のPC向けにSATA3.0対応のSSDが普及し始めた年です。HDDから「ポン付け」でSSDに交換でき、さらに大幅な速度向上で起動やブラウジングが速くなったことが記憶に残っています。
あれだけ劇的な体感速度の向上をもたらしたSSDですが、当時の記録を調べると最大書き込み速度は「355MB/s」程度です。
この数値を、2022年時点のSSDと比較してみましょう。
- 2010年当時のSATA3.0 SSD:シーケンシャルライト「355MB/s」
- CFD CSSD-S6B01TMG4VT(SATAモデル):シーケンシャルライト「540MB/s」
- ADATA LEGEND750 SSD 1TB PCIe Gen3 x4 M.2(M.2モデル):シーケンシャルライト「3000MB/s」
- SAMSUNG 980 PRO MZ-V8P1T0B/EC(M.2モデル):シーケンシャルライト「5000MB/s」
2022年時点で、SATA接続のSSDはだいたい「500MB/s前後」、M.2(NVMe接続)のSSDは「2000~7000MB/s前後」が目安ですね。
つまり、この10年間でSATA接続は約1.5倍、NVMe接続は6~20倍前後の速度になったといえます。やはりNVMeの威力はすごいですね。
10年前に比べるとコスパも劇的に向上
ちなみに2010年当時のSATA SSD「Crucial CTFDDAC256MAG-1G1」は、容量が256GBで355MB/sといったスペックで価格が7万円弱でした。
今はSATA SSDで256GBであれば、5000円で買えてしまいますよね。しかも読み書き速度は当時の1.5倍くらいあります。価格で14分の1、性能は1.5倍ですからコスパは比較になりません。
たった10年ちょっとでここまでの進化を遂げたのは、CPUとGPUをのぞけばSSDくらいのものだと思います。ちなみに10年前のSSDでもOSの起動やブラウジングにはほとんどストレスを感じないレベルです。
半導体価格の上昇でPCパーツ全体が高くなっている印象がありますが、10年というスパンで見ると信じられないくらい割安になっているのがわかりますね。