安さ以外にSATA接続なM.2 SSDを使用するメリット
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すっかりゲーミングPCのパーツとして定着したM.2 SSDですが、いまだに「NVMe接続ではないモデル」が存在します。
つまり、SATA接続なわけですが、よく考えてみるとわざわざM.2 SSDでSATA接続を選択する意味が無いような気がしませんか?
一般的には「安いから」という理由になりそうですが、今回は安さ以外でSATA接続なM.2 SSDを選択する意味を考えてみました。
まずはM.2 SSDについておさらい
まずはM.2 SSDについておさらいしておきましょう。M.2というのはあくまでもハードウェアとしての接続規格です。
つまり、内部的な接続規格は別に設定されており、M.2 SSDについては「SATA接続」と「NVMe接続」の2種類が存在します。
SATA接続は通常のSSDやHDDと同じ接続方式なので、データ通信の速度ももちろんSATA規格に準拠しています。
一方、NVMeならばPCIeレーンを使用してデータのやり取りを行うため、SATAよりも高速です。一般的なM.2 SSDのイメージは、このNVMe接続からきています。
今でも安価なSATA接続のM.2 SSDは販売されていて、一定数は売れているようですね。なぜ、わざわざM.2 SSDでSATA接続を使うのかについては、次のような理由が考えられます。
SATA接続なM.2 SSDを使用するメリット
個人的には、次の3つがメリットとして挙げられると考えています。
省スペース
M.2 SSDは非常に小型で、通常のSSDに比べても5分の1程度のスペースしか必要としません。
また、マザーボードに密着するように設置できるため、ストレージのスペースが無いようなミニPCやノートPCには最適な増設方法のひとつでもあります。
速度はひとまず無視しても、この圧倒的な省スペース性は、制限の多い環境において非常に強いのです。
手のひらサイズのミニPCや薄型ゲーミングノートPCで1TBクラスの容量を増設したいのであれば、事実上M.2 SSD以外に選択肢が無いですかね。
ATXやMicro ATXを使用していると気が付きにくいのですが、実はM.2 SSDの最大の強みと言っても過言ではありません。
発熱が小さい
SATA接続なM.2 SSDはNVMe方式に比べて処理能力がマイルドな分だけ、発熱も低いです。ほぼヒートシンクが不要で、ポン付けのまま何の気兼ねもなく使用できます。CPUクーラー付近のエアフローで十分に冷えますからね。
超小型の窒息ケースや薄型ゲーミングノートPCでは、排熱能力が低いために低発熱なパーツを組み合わせなくてはななりません。
このとき、一般的なSSDよりも小型で発熱も低いSATA接続のM.2 SSDは、強い味方なのです。
体感速度にそこまで大きな差がない
個人的に盲点だと感じたのがこれです。スペック上は大差がつくSATA接続モデルとNVMe接続モデルですが、人間の体感上はそこまで大きな差がありません。
例えば、Samsung 860 EVO 500GB SATA M.2は、リード550MB/s、ライト520MB/s程度です。一方、同じくSamsungのSamsung 970 EVO Plus 500GB PCIe(NVMeモデル)は、リード3500MB/s・ライト3200MB/sとなっています。
両者の性能差は6倍近いのですが、実際にデータの読み書きをしていると体感できる差は数秒~10秒程度といったところでしょうか。
テキストデータや静止画の読み書きならば、体感することはほぼ不可能ですね。重量級の3Dゲームの立ち上がりやマップ読み込みで多少の差を感じる程度でしょう。
もちろん、こうした差が積み重なることで最終的にはっきり体感できるほどの差になることは確実なのですが、数分~数十分の作業ではNVMeの凄さは分からないのです。
実用面ではまだまだ優秀なSATA接続M.2 SSD
このように・省スペース・発熱が小さい・体感速度にそこまで大きな差がないという3つのメリットに加え、安さ(NVMeの7割~半額程度)が相まって、まだまだ需要があるようです。
実は私もSATA接続のM.2 SSDをサブPCに仕込んでいて、重宝しています。高性能が必要ない環境では、かなり優秀なパーツだと思いますよ。