U.2とM.2の違いとは?「U.2 SSD」の知られざる強み
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メインストレージはM.2 SSD、サブストレージはSATA SSDという構成のゲーミングPCが増えてきました。
M.2 SSDの時代に突入して数年が立ちましたが、M.2 SSDと双璧をなす「U.2 SSD」をご存じでしょうか。
今回はあまり知られていないU.2 SSDの特徴や強みについて解説したいと思います。
U.2 SSDとは?
U.2 SSDとは「U.2規格」によって接続されるSSDの総称です。ではU.2規格とは何を指すのでしょうか。
U.2とは万能コネクタとも呼ばれる規格で、複数(主に3種類)の規格に対応しています。その3種類とは「PCIe」「SAS」「SATA」です。
SATAもPCIeも一般的なSSDでよく使われていますよね。また、SASはサーバー用途で使われる規格です。これら3つの規格に対応するのがU.2というわけです。
U.2コネクタは、PCIe、SAS、SATAのいずれにも対応できることが特徴で柔軟性の高さはストレージ用接続規格の中でもナンバー1。
また、PCIe(つまりNVMe接続)にも対応しているため、転送速度もM.2と同等レベルと考えてよいでしょう。
もともとは、「SSF-8693」という名称で2011年に開発されたものですが、一般向けのPC用としてはほとんど広まりませんでした。
U.2はホットスワップ(電源を入れたままストレージを抜き差しできる機能)に対応しているため、どちらかといえばサーバー用途がメインだったようですね。
しかし、その柔軟性と性能の高さから、一部のPCファンの間からは密かに注目される存在でした。
U.2がM.2よりも優れている点
同じNVMe接続をサポートする接続規格でありながら、U.2とM.2にここまで差がついたのは、個人的にかなり想定外でしたね。
なぜならU.2は使い勝手や性能から見て、あきらかにM.2よりも優れている点があるからです。そこで、U.2とM.2の違いを整理してまとめてみました。
U.2とM.2の違い
- 接続方法 U.2:ケーブルを介して接続 M.2:スロットに直接接続
- 容量 U.2のほうが容量を大きくしやすい
- データ転送速度:同じ
- 接続口の使い勝手 U.2はNVMe接続以外のストレージも装着可能、M.2はNVMe接続のみ
- 冷却、発熱 U.2接続はケーブルを介して熱源(CPUやGPU、チップセット)から距離を置くことができるため冷却しやすい
- 物理的な大きさ U.2は2.5インチサイズ、M.2は2240/2280/22110カードサイズ
大きさとケーブルの取り回し以外はU.2の勝利
このように、U.2は2.5インチサイズになることとケーブルが必要になること以外は、M.2よりも優秀と考えることができます。
ケーブルについても、「熱源から離せる」と考えればメリットになりますよね。U.2は非常に優秀な規格であり、実はゲーミングPCに向いているのです。
これからU.2対応のマザーボードは増える?
実はサーバー用のマザーボードにはすでにU.2が搭載されています。例えばASUSの「WS C422 PRO/SE」ですね。
U.2とM.2を備えているハイエンドマザーボードです。しかし、仕様を見てもわかるようにCPUは「Xeon」、メモリは「ECC」ですから一般的なPC向けの製品ではありません。
また、一般向けのPCではストレージは多くても2つ~3つですから、M.2とSATAがそれぞれ1個ずつあれば十分に足りてしまいます。
わざわざサーバー用に開発されたU.2を載せる必要もスペースもない、というのが実情ではないでしょうか。
ただし、M.2接続をU.2接続に変換するキットは発売されているので、どうしても使ってみたいという方はこうした製品を狙うのが良いかもしれませんね。