Intel VMDの効果は?NVMe SSDの最速化
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ここ2年ほどでゲーミングPCのメインストレージはNVMe SSDが当たり前になりました。M.2スロットに搭載すれば非常にコンパクトかつ高速なメインストレージになり、大変便利ですからね。
このNVMe SSDの性能をさらに引き出す機能として、Intel社が開発したのが「Intel VMD」です。
NVMeの性能を引き出す「Intel VMD」
Intel VMDは、「Intel Volume Management Device」の略称で、NVMe SSDの性能を引き出すための独自機能です。
第12世代Coreシリーズに対応したIntel600番台のチップセットに搭載されており、Alder Lake世代の構成にするならば覚えておいて損のない機能のひとつですね。
ちなみに導入手順は以下のとおり
1. UEFIの機能「簡易モード(EZ modeなどの表記)」で「Intel Rapid Storage Technology」をonにして再起動
2. 再度UEFIに入り「詳細モード(Advanced modeなどの表記)」から「Intel VMD」を有効(Enable)にして保存、再起動
大体どのメーカーのマザーボードでもこのやり方でIntel VMDが利用できるかと思います。
ただし、UEFIのバージョンやマザーボードメーカーによっては初めから有効になっていることもあるので、一度は設定を見直してみてください。
設定の手間の割には効果が薄い?
さて、実際にIntel VMDを有効にすると、どの程度の効果が見込めるのでしょうか。先日、友人がAlder Lakeで一台新しくPCを組むということで、実験させてもらいました。
結果は以下のとおりです。
構成
CPU:Core i9 12900K
マザーボード:Z690チップセット搭載マザー
SSD:Western Digital SN850(500GBモデル)PCIe Gen4 × 4
測定結果(単位はMB/秒)
Intel VMD無効時
4Kシーケンシャルリード / ライト:6500 / 4150
4Kランダムリード / ライト:720 / 640
Intel VMD有効時
4Kシーケンシャルリード / ライト:6800 / 4250
4Kランダムリード / ライト:760 / 660
上記の結果は、それぞれ3回ずつ試した平均値で端数は切り捨てています。この結果を見た感想は「思ったより変化がないな…」でしたね。
ちょっと期待外れと言いますか、設定変更の手間の割には効果が見えにくいというか。
おそらく4Kデータのリード/ライトでこの程度の差しか出ないということは、ほぼ間違いなく体感できません。
特に、実使用で肝心なランダムリード/ライトがほとんど伸びていないのは残念ですね。ただし、技術としてはこれから成熟していくはずですので、今後に期待です。
Intel VMDでOSインストールが進まない?
ネットでIntel VMDを検索すると、上位には「SSDが見えなくなる」という情報が出てきますよね。
しかしこれは不具合ではなく、仕様です。Intel VMDを有効にすると、別途専用のドライバをインストールした後でなければNVMe SSDが見えなくなるので、注意してください。
画面の指示に従って「ドライバの読み込み」から予め用意してあるドライバを読み込めばOKです。マザーボードを購入すると付属のドライバついてくると思いますので、とりあえずはそれを読み込ませればOKですね。
ドライバの名称は「Intel~VMD Controller~」といったものなので、すぐに見つかると思います。この手動作業を忘れなければ、Intel VMDを有効にしてもWindows11のインストールが可能です。