CPUとグラボに「相性」は存在するのか
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よく知られているとおり、ゲーミングPCはCPUとグラボの性能が8割以上を占めます。以前、PCに関する知識があまりない知人から「CPUとグラボに相性があると言われたんだけど、本当?」という質問を受けました。
一瞬、どういうことなのか判断に迷いましたが、私なりの回答をまとめてみたいと思います。
CPUとグラボの間に「相性」はないが・・・?
結論から言うと、CPUとグラボの間に「相性」と呼ばれるものはありません。ここで言う相性とは「特定の組み合わせで、片方もしくは両方の性能が著しく低下/向上する」ことを表しています。
メモリとマザーボードのように、ベンダーごとの細かな仕様解釈の違いから「相性問題(つまり不具合)」が発生するケースも聞いたことがありません。
CPUとグラボの関係は密接でありながらもドライで、組み合わせによって特別なメリット・デメリットが発生するようなものではないのです。
ただし、次のようなケースが「相性」と呼ばれることはあるかもしれません。
グラボの性能にCPUがついていけていない
いわゆる「ボトルネック」と呼ばれるケースですね。ゲームがどんどんグラボに依存していくにつれ、「CPUはそこそこで問題ない」という考えが一般化しました。
しかし、グラボに命令を出すのはCPUであり、CPU側の命令が遅ければグラボの性能をフルに活かしきれないことがあります。
具体的には「Pentium+RTX3060」のような組み合わせの場合、RTX3060側が本来の性能を十分に発揮できず、ゲームのパフォーマンスが上がらないといった事象が発生するわけです。
これがいわゆる「CPUがボトルネックになっている」という状態で、解消するためにはCPUのグレードを上げなくてはいけません。もしボトルネックの発生を「相性」と呼んでいるのであれば、あながち間違いではないと思います。
AMDの「デュアルグラフィックステクノロジー」
AMDには、APUに内蔵しているGPUと独立GPU(Radeonシリーズ)をセットで使うことにより、総合的なパフォーマンスを向上させる技術があります。
これを「デュアル・グラフィックス」と呼んでいて、簡単に言えば内臓GPUと独立GPUのクロスファイアのようなものですね。
デュアル・グラフィックスが使えるのは、特定のAPUとRadeonシリーズGPUに限られているため、確かにこれは「CPUとグラボの相性」と言えるかもしれません。
ちなみにIntelにはこうした技術がなく、AMDもAPU以外のRyzenシリーズにはデュアル・グラフィックスを実装していないと記憶しています。
デュアル・グラフィックスが流行ったのは2010年代の中盤だったと思いますので、やや枯れた技術ですね。近年はソフトウェア側でGPUの連動を制御する「マルチGPU」が主流になっており、ハードウェアレベルでの連動は消えていくのかもしれません。
ドライバのアンインストールを行っていない
CPUとグラボの相性と呼ばれる可能性としては、「グラボを乗せ換えたタイミングで、ドライバの消去を正確に行っていない」ことも考えられます。
具体的には、「Intel CPU+Nvidia GPU」から「Intel CPU+AMD GPU」に移行した際、元のNvidia GPUのドライバをしっかりアンインストールしていないために、移行後に不具合が発生するケースです。
グラボをNvidia・AMD間で切り替える場合は、ドライバをしっかり消去しないと不具合が出る場合があります。私も過去に2度ほど経験しましたが、ドライバ同士が衝突するのか、本来の性能が出ないのです。
こういったケースも、「相性」として認識されているかもしれませんね。