M.2 SSD=高速ではない!SSDの基礎知識
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ゲーミングPCに当たり前のように採用されているM.2 SSDで。しかし、M.2 SSDだからといって必ずしも「爆速」というわけではありません。
今回はSSDの基礎知識を改めて整理します。
M.2 SSDは爆速を保証するものではない
まず注意しておきたいのは、「M.2 SSD=爆速ではない」ということです。
M.2は単なる物理的な接続規格の名称で、実際の通信速度を決めるのは内部の論理的な接続規格のほう。つまり、M.2であっても、「SATA接続」であれば速度は一般的なSSDと同じなのです。
M.2 SSDが高速に動作するためには、内部でPCIe接続を行っている「NVMe規格」であることが必須。大容量なM.2 SSDの中には、SATA接続のものが多いため、「SATAかPCIeか」という点は必ずチェックしましょう。
例えば、WESTERN DIGITAL社の「WD Blue 3D NAND SATA WDS500G2B0B」はM.2 SSDですが接続は「SATA」です。価格は5000円と一般のSATA SSDと大差ありません。
もちろ読み書きの速度もSATA SSDと同じレベルです。しかし、M.2 SSDは非常にコンパクトで物理的な設置スペースがほとんど必要ないため、小型PCのストレージとして適しています。
NVMeの基礎知識
次にNVMeについてですが、これは「物理的なコネクタ形状」を指し示すものではなく、内部の論理的な接続規格を表すものです。
NVMeは、SATAやIDEのように「これ」という単一のコネクタ形状ではありません。PCIeスロットに刺して使ったり、M.2スロットに設置したりと複数のコネクタが存在します。
NVMeでは、マザーボードに直接接続する「PCIeインターフェース」を使ってデータのやり取りを行うため、この方式を実現できれば物理的な接続方法は何でもよい、という規格なのです。
例えばPCIe3.0ではx2やx4で接続することで、SATA接続の3~4倍の転送速度をたたき出すため、ゲーミングPCには必須のパーツと言えるようになっています。
NVMeは、SATAの進化に限界が来たことで頭角をあらわし、SATAの転送速度の限界であったは「600MB/s」を悠々と突破しました。
大容量、高画質なコンテンツが増えた今、SATAの転送速度は徐々にPCのボトルネックと見なされるようになり、NVMeが普及する一因になっています。
これに対してPCIe3.0を用いたNVMe接続では、最大転送速度は1レーン当たり15.76GB/sに達します。(x16)
SSDもTBの時代に突入
このようにSSDにも「SATA接続でそれほど高速でなはないタイプ」と「内部でPCIeを使用するNVMeで、非常に高速なタイプ」があります。
さらにNVMeはモデルやグレードによって速度の差が激しいため、お金をかければかけるほど爆速な環境を構築できます。
また、安価なSATA SSDはNANDフラッシュメモリのグレードを落とすことで大容量化が進んでおり、QLCであれば1TBで1万円を切る製品も出始めました。
こうした安価な大容量SSDは、もはや旧時代のHDDと同じような使い方を想定しており、「読み書きが早くサクサクなSSD」とはちょっとイメージが違います。
個人的には、OSやゲームの本体ファイルをインストールするドライブにはNVMe SSDを、Dドライブのように完全なストレージ用途であればQLCの大容量SSDで良いのかなと思います。
SSDのみを用いて「速さ」と「容量」をうまく使い分けられる時代になっていますので、用途に応じて最適なタイプを選んでみてください。