PCゲーマーにバランス接続は必要か?
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PCゲーマーの中でも音にこだわる方ならば「バランス接続」のヘッドホンやイヤホンを使っているかと思います。
とはいいつつも、私はしっかり使ったことがありません。なぜなら非常に高額だからです。しかし先日、友人から「バランス接続だとやっぱり違うよ」と意見をもらいました。
そこで今回は、バランス接続の要否について考えてみたいと思います。
バランス接続とは?
ヘッドホンのバランス接続とは、音声信号をヘッドホンに伝送する際に、通常のアンバランス接続(シングルエンド接続)とは異なる方法で信号を送る接続方式のことです。
バランス接続は、音質を向上させ、ノイズの影響を低減する目的で使用されます。
バランス接続では、音声信号を2つの逆位相の信号として伝送します。
この2つの信号は「+」と「-」のラインに分かれており、それぞれが同じ信号を持っていますが、位相が180度反転しています。加えて、グランド(接地)線が別に存在します。
正相信号(+): 通常の音声信号
逆相信号(-): 正相信号の位相が180度反転した信号
グランド(GND): 接地ライン
ヘッドホン側では2つの信号の差分を取ることで、最終的な音声信号を再生します。差分信号は、ノイズが含まれていても逆位相の信号同士が打ち消し合うため、ノイズが減少し、クリアな音質が得られるという利点があります。
バランス接続のメリット
ノイズ低減
バランス接続はケーブルで伝送中に外部から受けるノイズをキャンセルする効果があるため、長いケーブルを使用する場合でもノイズが少なく、よりクリアでピュアな音質が実現されます。
出力パワーの増加
バランス接続ではアンプからの出力が左右のチャンネルに独立して供給されるため、通常のアンバランス接続より高い出力を得ることが可能です。特に高インピーダンスのヘッドホンで有利です。
クロストークの減少
左右チャネルが独立しているため、クロストーク(左右の信号が干渉する現象)が少なく、より正確な音のイメージが得られます。
バランス接続のデメリット
対応機器が必要
バランス接続対応のヘッドホン、アンプ、およびケーブルが必要で、いずれも高額です。また、対応製品自体も少ないですね。マニア向けかもしれません。
複雑な配線
バランス接続は、通常のシングルエンド接続よりも複雑な配線を必要とします。
PCゲーマーにバランス接続は必要?
さて、このようにプロ向けとも言えるバランス接続ですが、PCゲーマーに必要かどうかを考えてみました。
バランス接続が活きるケース
PCゲーマーの中でも、特に音質にこだわるユーザーにとって、バランス接続はメリットがあります。
バランス接続によるノイズ低減、出力パワーの向上、クロストークの減少により、ゲーム内のサウンドがよりクリアで正確に聞こえるので没入感が増しますね。
特にFPSなど、音の定位が重要なゲームでは、足音や環境音の細部を正確に捉えることができ、競技的に見てもアドバンテージになる可能性があります。
バランス接続がいらないケース
端的に言えば「音はそこそこでいい」ならバランス接続は不要です。高いうえに面倒なだけですから。
大半のPCゲーマーにとって、バランス接続はオーバースペックになりがちです。ほとんどのゲーマーは視覚的な面に集中しており、音質の微細な違いに気づきにくいですよね。
競技的に楽しんでいる場合でも、音質よりも遅延の少なさや装着感、マイクの性能など、より実用的な要素に注目することが多いです。
実際に私も少し試したのですが、ゲーム用とならばいらないかなというのが率直な感想でした。
非常に高額な機器ですので、一度は専門店で試してみることをお勧めします。まあ、9割以上のプレイヤーは通常の接続で十分だと思いますよ。