外付けGPUボックスを使うと性能が落ちる?
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GPUレスなノートPCをゲーミングPCへと早変わりさせるデバイスである「外付けGPUボックス」は、安価なノートPCを有効活用できる優れものです。
一方、「GPUを外付けすると性能が落ちる」という噂もあるようです。そこで外付けGPUのパフォーマンスについて調べてみました。
確かにGPUの外付けは性能が落ちる
結論から言うと、GPUを外付けGPUボックスで接続すると、ベンチマークスコアが落ちます。
内蔵型の場合はPCIeスロットに直接挿すわけですが、外付けの場合は「GPUボックス内のPCIeスロット→Thunderbolt→本体のマザーボード」というステップになりますからね。
GPUやゲームによって落ち幅はさまざまですが、大体5~40%程度といったところでしょうか。このあたりはCPUとGPU、GPUボックスに内蔵されている拡張カードの組み合わせで変わってくるようです。
PCIe直挿し(内蔵型)の場合、PCIe4.0×16の帯域幅は256Gbpsに達します。これに対して、最新の外付けGPUボックスで使用されているThunderbolt4は、40Gbps。約6分の1です。
ちなみにPCIe3.0×16でもPCIe4.0×16の5割程度は出る計算なので、外付けよりは圧倒的に有利ですね。やはり、帯域幅が落ちてしまう分だけ、処理が遅くなるのは避けられないようですね。
また、4KよりもフルHDで性能の落ち込みが大きい傾向も確認されました。「フルHDなんだから外付けでも問題ないだろう」と考えるのは禁物かもしれません。
注意すべきは「エンコード」
外付けGPUボックスにGPUを挿し込む場合に最も注意すべきなのは「エンコード」ですね。
一般的なゲームプレイとは比較にならないほどパフォーマンスが低下します。以下は、PCIeに直挿し(内蔵)と外付けGPUボックスを使用した場合のエンコード時間の比較です。
Core i9 12900K+RX6900XTで4K動画(5分程度)をエンコードした場合
・PCIeに直挿し:約2分半
・外付けGPUボックス(Thunderboltカード経由):18分強
このように内蔵型と比べると8~9倍近い時間がかかっています。これだけ時間がかかってしまうのは、ハードウェア支援が動いていないせいなのかもしれませんね。
もし、外出先でノートPC+外付けGPUボックスで動画エンコードなどを行う場合には、かなり時間がかかることを覚悟しておきましょう。
編集するにしても、あらかじめ自宅でエンコードしてから持ち出したほうが良さそうですね。
外付けGPUボックスよりは買い替えのほうが良いかも?
実は、個人的にあまり外付けGPUボックスに良い印象を持っていません。GPUを無理やり使えるようにしているものの、本体側とのバランスが取れないことが多いですし、帯域幅の問題もあります。
Thunderbolt4ともなれば8万円以上しますし、Thunderbolt3でも5万円前後は覚悟する必要があるでしょう。当然ここにGPUの価格が乗っかるわけですから、あまりコスパが良いとは言えません。
上記のように帯域幅の違いなどで性能低下が起こりますから、外付けボックス+GPUの予算に少し上乗せして、ミドルレンジクラスのゲーミングノートPCを購入したほうが幸せになれそうです。