CPUグリスの選び方!素材別にCPUグリスの冷却効果を比較しました
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パソコンを冷却するため重要なパーツといえばCPUクーラーやケースファンを最初に思いつきます。でもCPUグリスの存在も忘れてはいけません。
パソコン初心者の方には聞き馴染みのない言葉でしょうけど、CPUグリスとはCPUとCPUクーラーの間に塗るどろどろとした素材のことです。CPUの温度を正しくCPUクーラーのヒートシンクに伝えるために必要なものです。
BTOメーカーでゲーミングPCを買う際にも、CPUグリスの項目があります。どれにすればいいかわからない方のために、CPUグリスの種類や選び方を解説します。
CPUグリスの種類と選び方
CPUグリスを一口に言っても様々な種類があり、それぞれ違いもあります。
素材
一番簡単な選び方はCPUグリスの素材です。
- シルバーグリス
- セラミックグリス
- シリコングリス
- カーボングリス
- ダイヤモンドグリス
粒子の細かい「ナノ」が付く場合もあります。ナノダイヤモンドやナノカーボン等が代表的です。また他にも混合素材なんてものもあります。一般的にはシルバーグリスやナノダイヤモンドグリスが人気です。
熱伝導率
性能をしっかり見極めたいならCPUグリスの熱伝導率を調べてください。製品名で検索し、公式サイトを見るとCPUグリスのスペックを確認できます。「12W/m・K」みたいな数値を探してください。
熱伝導率は言葉通りの意味で、数値が高いほどヒートシンクへ温度を伝えられます。
粘度
粘土は短期的な冷却には関係ありません。粘土が高いほうが乾燥しにくく、CPUグリスが長持ちします。乾燥してしまうとCPUグリスの役目を果たせなくなってしまいます。CPUグリスを交換するのはそこそこ面倒ですから、粘土の高いCPUグリスを選ぶことをおすすめします。
「130~170Pas」みたいに範囲で記載されています。ただし粘土を書いていないCPUグリスもあるのでそこは仕方がありません。
他にも熱抵抗値や比重のようなスペックもあるのですが気になくていいです。
CPUグリスの冷却効果を比較
ではどんなCPUグリスを選べばいいのでしょうか。やはりCPUの温度を低くできるCPUグリスがいいですよね。そこで4製品を実際に買ってみて、CPUの温度がどうなるか比較してみました。
少し前に「CPUグリスの塗り方と拭き取り方を写真で解説」という記事もアップしたので、自分で交換したい方はあわせて読んでみてください。
検証に使用するCPUグリス
購入したCPUグリスは以下の4つです。
製品名 | 熱伝導率 |
---|---|
AINEX AS-05 (シルバーグリス Arctic Silver 5) | 9.0W/m・K |
AINEX GS-11 (ナノカーボングリス) | 11.0W/m・K |
AINEX HTC-03 (ナノダイヤモンドグリス) | 12W/m・K |
AINEX GS-08L (Thermal Grizzly Kryonaut) | 12.5W/m・K |
これらのCPUグリスを選んだ理由は、BTOパソコンでよく採用されているからです。
例えばドスパラのゲーミングPCはThermal Grizzly、AS-05がありますし、どれもAINEX製です。
フロンティアも似たような感じです。つまりAINEXのCPUグリスを素材別に比較することで、BTOパソコンを買う際にどれを選べばいいかがはっきりするのです。
検証環境
検証には以下のゲーミングPCを使用しました。
OS | CPU |
---|---|
Windows10 Home 64bit | Core i7-8700K |
グラフィックボード | メモリ |
GeForce RTX2070 8GB | 16GB PC4-21300 |
CPUファン | マザーボード |
CoolerMaster Hyper 212EVO | ASRock Z370 Pro4 |
SSD | HDD |
Crucial CT525MX300SSD1 | TOSHIBA DT01ACA200 |
光学ドライブ | 電源ユニット |
DVDスーパーマルチドライブ | Corsair RM850x |
温度を比較
10分以上放置して安定させた温度を「アイドル」、3DMARK FireStrikeというベンチマークソフトで負荷をかけた際の最大温度を「最大」とします。
CPUグリス | アイドル | 最大 |
---|---|---|
AS-05(シルバー) | 34℃ | 77℃ |
GS-11(ナノカーボン) | 33℃ | 76℃ |
HTC-03(ナノダイヤモンド) | 32℃ | 75℃ |
GS-08L(混合) | 32℃ | 75℃ |
確かに差は出ましたが思ったほどではありません。もっとCPUに負荷をかけ続けたり、オーバークロックしたりすればもっと違いが出るでしょう。
CPUグリスはどれも安いですから、500円程度の違いで数℃下がるなら良い製品を選んだほうがいいです。それに高級なもののほうが長持ちしやすいのでおすすめです。
CPUの温度をガツンと下げたいならいっそのこと水冷クーラーにしてしまうのも手です。空冷の水冷の違いについては「冷却効果と音を比較!CPUクーラーは空冷と水冷のどちらがいいか」の記事をご覧ください。