ケースファンはどこに設置すべき?場所ごとにパソコンの温度を比較しました
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いつの時代もパソコンの熱対策が重要です。特にゲーミングPCは高性能CPUにグラフィックボード、大容量電源ユニットと熱の塊みたいな存在ですから、より一層熱対策の必要性が高くなります。
「冷却効果と音を比較!CPUクーラーは空冷と水冷のどちらがいいか」ではCPUの熱対策について書きましたが、ここではケースファンについて解説します。
ケースファンの一般的な配置
パソコンによってケースファンの位置は異なります。でも大抵の場合はフロントファン(前側のファン)で吸気し、リアファン(背面のファン)で排気しています。
ミドルタワーにはトップファンが1つ付いていることもあります。フルタワーのハイスペックゲーミングPCになると、トップファンやボトムファンがたくさん付いているものもあります。
ケースファンの位置で温度を比較
身も蓋もないですが結局のところ、ケースファンをどこに配置すべきかどうかはPCケースの構造によります。もちろんケースファンを増やせば増やすほどパソコン全体の温度は下がるでしょうけど、増やした分だけファンの音が増えるのでうるさくなります。だから効果的な場所にだけケースファンを追加するのが理想です。
そこでドスパラで売れ筋ランキング1位のゲーミングPCであるガレリア XTをベースにケースファンを増やして、「どこに設置するのが一番効果的か」を調査しました。
温度計測の方法と環境
ガレリア XTはミドルタワーケースのゲーミングPCです。初期構成だとフロントファンとリアファンが1つずつ付いています。そしてトップファンを2つ、サイドファンを2つ追加可能です。
そこでトップファンとサイドファンをそれぞれの位置に付け加えた際の、CPUとグラフィックボードの温度を比較しました。CPUはCore i7-6700、グラフィックボードはGTX1060 6GBです。
温度はHWMONITORで計測し、「5分以上放置したアイドル状態の温度」と「3DMARK FireStrikeを3回動作させた際の最大温度」を参考にします。
ケースファンを1つ追加したときの温度
では最初に4箇所あるうちのどこか1つにケースファンを追加した時のCPUとグラフィックボードの温度を比較します。
ファンの位置 | CPU(アイドル) | CPU(最大) | グラボ(アイドル) | グラボ(最大) |
---|---|---|---|---|
トップ・前 | 26℃ | 62℃ | 34℃ | 72℃ |
トップ・後 | 26℃ | 58℃ | 35℃ | 72℃ |
サイド・上 | 26℃ | 58℃ | 36℃ | 73℃ |
サイド・下 | 28℃ | 58℃ | 32℃ | 73℃ |
全体的にそこまで大きく変わらないものの、それぞれのパーツに近いケースファンが威力を発揮している傾向を感じます。トップケースファン、サイドケースファン上はCPUに近いので、CPUの温度が低く収まっています。この中でCPUの冷却を重視したいなら、トップケースファン後かサイドケースファン上が良さそうです。
グラフィックボードに近いのはサイドケースファン下です。最大温度こそほとんど変わりませんが、アイドル状態だと他の位置のファンよりも3~4℃低くなりました。
ケースファンを4つ追加したときの温度
ではどこか1つ追加ではなく、4つ全部にケースファンを搭載させたらどうなるでしょうか。「ケースファン追加なし」と「ケースファン全部追加」の温度を比較してみます。
ファンの位置 | CPU(アイドル) | CPU(最大) | グラボ(アイドル) | グラボ(最大) |
---|---|---|---|---|
ファン追加なし | 26℃ | 62℃ | 34℃ | 74℃ |
ファン全部追加 | 24℃ | 57℃ | 30℃ | 72℃ |
明確な温度差が出ました。特にアイドル状態だとCPUもグラフィックボードもかなりよく冷えています。どこか1つだけ追加するよりも冷却効果が高くなることもわかりました。
もちろん上の方で書いたようにPCケースの構造や設計によって最適なファンの位置は変わってくるわけですが、基本的にはケースファンは多ければ多いほどゲーミングPCに優しくなるはずです。