eSportsのコーチは何をしているの?Unsold Stuff GamingのRahuiコーチにインタビュー!
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eSportsでは選手に注目が集まります。しかしコーチの存在も忘れてはいけません。というのもチームで戦うタイトルの場合、野球やサッカーと同じようにコーチがいます。
ではeSportsのコーチってどんなことをしているのでしょうか?そんな疑問を持っていたところ、G-Tuneがスポンサーしているプロゲーミングチーム「Unsold Stuff Gaming」を紹介して頂きました。
Unsold Stuff GamingのLeague of Legends(以降LoL)チームは、Rahuiさんがコーチとして就任していてチームを導いています。LJL 2019 Summerの最中ではありますが、Unsold Stuff Gamingのゲーミングハウスにお邪魔し、Rahuiさんにインタビューしてきたのでご紹介します。
ちなみにRahuiさんは韓国人であまり日本語が得意ではありません。そこでTussle選手に通訳して頂きました。
これまでどのようなゲームをしてきましたか?
昔はLoL、Starcraft、FPS等のゲームをプレイしていました。LoLはSeason 3から遊び始め、Season 6のランクはマスターでした。LoLのコーチとしての経歴は、I Gaming Star(2017年6月~2018年1月) → ES Sharks(2018年1月~2018年6月) → Unsold Stuff Gaming(2018年7月~現在)です。
コーチになろうとしたきっかけはどんなことだったのでしょうか?
若かった頃はコーチになろうとは思っていませんでした。大学に通い、卒業して就職したあと、生活は幸せではありませんでしたし、何をすれば幸せになれるのかもわかりませんでした。
そんな時I Gaming Starにコーチとして加入する話を貰えました。ゲームが好きだったからこそコーチになることが幸せに繋がると確信し、コーチになると決断しました。
どのような経緯でUSGに加入したのでしょうか?
韓国でI Gaming Starを経て、ES Sharksでコーチをしている時、別のチームを探していました。ES SharksでUnsold Stuff Gamingとスクリム(練習試合)をすることもあり、その際にUnsold Stuff Gamingがコーチを探していると聞きました。
当時の選手やマネージャーに認められ、Unsold Stuff Gamingで加入することができました。韓国以外の国に滞在することは初めてでしたが不安はありませんでした。
コーチの役割とは何でしょうか?普段どんなことをしていますか?
技術面
選手個人のことをしっかり把握して、選手の能力を最大限発揮できるようにスタイルを一緒に探します。その後、5人の調和を考えて、少しずつディテイルを変化させていきます。
メンタル面
LoLは精神的な面が大きく影響します。ひとりひとりの性格を把握して、選手の一番良い精神状態を維持できるようにメンタルケアをし、必要なときには丁寧に話し合います。
分析
コーチは自分のチームについて誰よりも理解することが大切です。選手個人のスタイルを知り、連携できるようになってきたらチームのスタイルをさらに分析します。
もちろん相手選手、相手チームの連携も調査します。そして最も勝てそうな戦略を練ります。
練習
コーチはまずスクリムする相手を探し、交渉します。特に次の試合で当たる相手と似ているチームを探します。そこで色々な戦略を試みて、チームが勝利できる公式を探し出します。
選手へのフィードバック
ただ記憶させるのではなく、選手が自分で考えるように質問をします。選手がどんな考えをしたか理解し、ミスを繰り返さないように悪い癖を指摘します。
ミーティング
精神的な面が足りない場合は、選手の立場を尊重し考えを聞いてから解決策を示します。ミーティングではBAN/PICKの話をよくします。全員の要望を聞いた上で、もっと良くなるように戦略を一致させます。
試合前
簡易的なコンディションチェックと、その週によく発生したミスについて話し合いします。あまり多くの話をしてしまうと、すべてを記憶しにくくなってしまい逆効果です。大事なポイントだけを話し合って、選手たちがやるべき方針を伝えます。
なお、BAN/PICKが終わる20秒前しかコーチは関われません。その後や試合中に関わってしまうとルール違反となります。
試合後
すぐ次の試合がある場合は、選手たちの精神的な面と体力的な面を中心にケアします。その試合で出ていたミスを話し合い、次の試合に反映させます。
コーチにはゲームの知識以外のスキルも求められると思います
コーチとは教えてあげる人です。LoLの知識が豊富だったとしても、教える方法が間違っていたら、相手に伝わらないので無駄になってしまいます。だからコーチとして上手くやるためには、選手個人のことをよく知ることが大切です。
人によって受け取り方が違うので、どうやって伝えれば深く理解してくれるかを考えます。その人の目線に合わせ、適した伝え方をしなければなりません。コーチングに関する書籍を読み、コーチとしてのスキルを高める努力もしています。
指導する中で意識していることやこだわっていることは?
私はチームの雰囲気を重視します。コーチという指導する立場で、誰も差別しませんし、平等に愛を与えなければならないと思います。選手たち自身も誰かを嫌いになったり、贔屓しないように注意しています。
また、試合で負けても一人のせいにするのではなく自分を含めた6人の間違いだと考え、逆に勝利したら一人の活躍ではなく6人全員の活躍によるものだと強調します。
LJL 2019 SPRINGからBO3からBO1に変わりました。どんな影響がありましたか?
BO1(1試合先取)はBO3(2試合先取)より心理的、ゲーム的に変わる幅が大きいですから、それに対処する準備をしなければなりません。特に奇襲となるPICKに備えないといけません。
そして試合をしながら修正し、対応する能力が求められます。特に精神的に粘る力がたくさん必要です。
Unsold Stuff Gamingをどんなチームにしていきたいですか?
Unsold Stuff Gamingを「League of Legends World Championship」に出場できるチームにしたいです。応援よろしくお願い致します!
おまけ
個人練習を始めようとするDasher選手。G-Tuneがスポンサーになっていることもあり、ゲーミングPCはG-TuneのNEXTGEAR MICROシリーズ、液晶モニターやiiyama製でした。
あとスクリムをしばらく見学させて頂いたのですが、ポジティブを崩さないというかとても良い雰囲気でした。また報告すべきこと・すべきでないことが明確になっていて、さすがプロゲーミングチームだと感じました。Unsold Stuff Gamingの皆様ありがとうございました。