「停電でPCが壊れる説」の信ぴょう性について
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20年以上前からPC界隈でまことしやかにささやかれる「停電でPCが壊れる」というお話。
実際に停電が発生しそうな台風や雷雨のときは、PCの電源を落とす方も多いと思います。今回はこの話が果たして本当なのかどうかについて調査してみました。
確かに停電にはリスクがあるが
結論から言うと、確かに停電でPCが壊れるという状況は、少なくとも15年前ほど前まではありました。
実際に私の友人が近所に落雷があったタイミングでマンション全体が停電になり、PCが突然シャットダウンし、そこから不具合が連発するようになりましたから。
復旧を手伝わされたのでよく覚えています。しかし、当時でも「ハードウェアの故障」はありませんでした。
PCが突然シャットダウンされると、いわゆる「予期せぬシャットダウン」というエラーログが出力されるのですが、これはOSが出力しています。
また、挙動が不安定になったものの、OSの再インストールですっかり正常に戻りましたので、実際にはOSの中にある何らかのファイル(レジストリ)に異常が出たのだと思います。
ただし、これはたまたま運が良かったのだと後から知りました。10~15年前に稼働していたPC(つまり製造されたのはそれよりもっと前)の中には、停電による電源断で電源やマザーボードが損傷することがあったようです。
その時代は主に中華製の粗悪なパーツもまだ出回っていましたので、もしかしたらコンデンサや回路の保護機能が十分ではなかったのかもしれません。
しかし、少なくとも私の知る限りでは、ここ5年程、停電でPCが壊れたという話は聞いたことがありませんね。
停電中にこれをやっていると危ない!
おそらく保護回路が発達したことで、単なる停電(つまり予期せぬシャットダウン)ではそう簡単に壊れないようになったのだと思います。
OSのほうも同じで、不具合からの復旧機能が以前よりも良くなり、挙動がおかしくなることもないと。
しかし、それでも停電でPCが故障するリスクはまだまだあります。具体的には、「停電が起こった時に行っていた作業」でリスクが変わります。
例えば、「停電が起こったタイミングでWindows updateを行っていた」という場合は、ちょっとリスクがありますね。
システムファイルを読み書きしている最中に起こるシャットダウンは、OSの挙動不安定につながりやすいです。
ただしこれも、ファイルシステムがFATからNTFSに変わっている現代ではあまり起こらないかもしれないですね。自動修復機能で治ってしまいそうです。
次にリスキーなのは、高負荷状態(ベンチマークや重い3Dゲームで遊んでいたとき)に停電、ですかね。
もともと高負荷状態で電圧が高まっているところに、落雷などが原因の過電流が走ると結構危ないです。いわゆる「電力スパイク」が起こって保護回路の上限を突破するリスクがあります。
転ばぬ先の杖としてのUPS
以上のことを考えると、まだまだ停電による故障のリスクはゼロとは言い切れません。
ATX2.0電源が普及すると、今以上に停電や落雷に対して強くなるかとは思いますが、それでもゲーミングPCを常用するならUPSの導入を検討すべきでしょう。
UPSは停電による電力供給の瞬断を防いでくれるだけではなく、安全なシャットダウンと再起動のための時間稼ぎをしてくれます。
ちょっとお高いですが、PC本体の故障リスクを考えると割安なので、私も愛用しています。