ゲーミングPCの自作代行は利用すべきか
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数年前からネットオークションやフリマサイトで「自作代行」を頻繁に見かけるようになりました。
自作代行とは、ゲーミングPCを自作した経験のない購入者の代わりに、一般のパーツメーカーから希望するパーツを買い集め、組み立てた状態で販売する方法です。
BTOショップのモデルに比べると同じスペックでも価格が安く、近年は購入する人が増えているようです。実は私も1度だけ購入経験があります。
この経験を踏まえ、自作代行を利用すべきかどうかについてまとめてみたいと思います。
自作代行は「知識と経験がある人間が楽をするためのもの」
身もふたもない話になりますが、自作代行は「やろうと思えば自分で同じことが出来るが、時間と手間の節約のために利用する」ものだと考えています。
確かに、ネットオークションやフリマサイトの自作代行出品は、一般的なBTOショップに比べると価格が安いです。
Core i5+GTX1660+メモリ16Gといった構成でWindows10がプリインストールされているにもかかわらず価格は8万円~10万円で買えることがあります。
パーツはメーカーの縛りがあるものの、追加や変更は基本的に自由で、コメント欄に要望を書けばその構成で見積もりを出してくれます。
自分で全く同じ構成を自作した場合、価格はほぼ同じか2~3千円安くなります。自作するためにはパーツの取り寄せや開封、組み立て、調整などが必要になるため、純粋にこの手間を削減できるわけですね。
上手く使えばとても便利で、経済的なサービスだと思います。しかし私はそれでも、「初心者は慎重になるべき」だと考えています。
自作代行サービスを利用して感じた違和感
なぜ初心者にあまりおすすめしないかと言えば、私自身が利用した際にいくつかの違和感を覚えたからです。
具体的には次のようなもの。
ケーブルの配線、電源の上下など細かいところが怪しい
これは私の少ない経験から感じたことなので、すべての出品者がそうだとは限りません。
PCが到着してすぐにケースのフタをあけ、まず感じたことは「ケーブルのまとめ方に余裕がない」ということでした。
具体的にはケースファンのケーブルのまとめ方が雑で、ケーブルが引っ張られてかなりストレスがかかっている状態でしたね。
ちょっと危うい感じに見えたので、ケーブルをまとめている結束バンドを全てニッパーで切り、自宅にあった結束バンドでまとめなおしました。
また、電源はファンを下に向けるタイプだったのですが、規定値と逆の状態(ファンが上向き)で設置してありましたね。そのためなのか、電源から伸びた各種ケーブルがうまくまとまっておらず、裏配線部分で団子状態に…。
故障や不具合ではないのですが、エアフローを阻害してしまう可能性があるのでこちらもまとめなおしました。
保証は原則として「パーツ単位のものを流用」
自作代行サービスを出品しているのは、単に自作を趣味としている人か副業として行っている人なのでしょう。
基本的に「PCそのもの」を保証するサービスはありません。保証はパーツ単位になるため、「どこが悪いかはわからないが、調子が悪い」といった問い合わせには対応してくれません。
つまり、万が一初期不良に遭遇した場合、「不具合カ所の特定」は自分で行う必要があるということです。
出品者によっては「初期不良1年まで対応」と掲載していることもありますが、そもそも1年後も連絡がつくとは限りませんし。アカウントを複数持っていて、切り替えながら販売している方は大勢いますから。
BTOショップのように店舗や公式サイトを構え、何年も運営している企業と同列に考えてはいけないのです。実際、私が購入した出品者も半年後には販売を行っていない状態のようでした。
自作代行を利用するのはある程度知識がついてから
上記のような点から、いざとなれば自分で問題を解決できるだけの知識を持った状態ならば、自作代行はアリだと思います。
私は自作歴15年近いので、細々と不満な点がありつつも最終的にはコスパの良いPCを購入できたと思います。
しかし、結局は到着したPCを2回ほど分解してケーブル配線、電源配置などをやり直したので、ゼロから自作したときとあまり手間は変わらなかったかな…とも思いましたね。
ゲーミングPCの自作代行は価格とスペックだけを見れば非常に安く魅力的ですが、細かい点で躓かないように注意してください。