【素朴な疑問】HDDよりもSSDが高い理由
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メインストレージといえば、SSDとHDDの2種類が主流です。最近はM.2 SSDをメインストレージ、サブストレージにSATA SSDやHDDという構成が普通だと思います。
サブストレージにHDDを使うのは、なんといっても容量当たりの単価が低いから。つまり圧倒的に安いからです。しかしよく考えてみると、構造上、HDDのほうが高くなりそうなものですよね。
SSDが普及し始めてから早20年近くがたついまでも、HDDのほうが安いというのは不思議です。今回は、なぜHDDがSSDよりも安いか(SSDがHDDよりも高いか)を整理してみたいと思います。
普及した製品は安くなるはずだが
まずSSDの価格についてですが、確かに20年前と比べると容量当たりの単価は大きく下がりました。250GB程度で2万円という値段がついているSSDはほとんどありません。
今の相場はM.2とSATAを総合すると、SSDでざっくり1TB=11000~15000円程度ですね。これに対してHDDは、1TBあたり5000円~7000円程度。
もちろんそれぞれに「外れ値」のような製品はありますが、ボリュームゾーンを比較すると約2倍の価格差があります。
私の個人的な感想ですが、SSDはこれだけ普及している割には安くなっていませんね。20年前はもっと大容量/低価格化が進むと思っていました。
正直なところ、SATA SSDならば今のHDDと同等かそれ以下にはなるのだろうと。半導体不足や為替の影響もあるはずですが、なぜかHDDよりも圧倒的に高いままです。
素人目線なら「HDDのほうが高そう」だが?
さらにHDDとSSDの内部構造を比較すると、HDDの「精密さ」に驚きます。HDDの構造は、ものすごく簡単に説明すると、超薄型の円盤が非常に精密に等間隔でまとめられており、これが高速回転しているというもの。
振動に弱いのもこの精密な構造のせいであり、1分間に何千回転もの動作をしながら、常にデータの読み書きを行っています。
これに対してSSDは、物理的な動作がなく、NANDをコントローラーで管理してデータの読み書きを行います。技術的な優劣はさておき、構造としてはHDDのほうが高くなりそうじゃないですか?
価格は技術的な優劣で決まるものではありませんから。「よく売れて簡素なもの」は安く、「あまり売れずに難解なもの」は高くなっていきます。しかし、現実にはSSDのほうがHDDよりも2倍も高い。
SSDが高い理由
ということで、SSDが高い理由をなんとなく調べていくと、以下のような理由に落ち着きそうです。
- 製造過程への投資額が大きい
- 積層化が進んでおり製造時間とコストがアップ
- HDDは「枯れた技術」であり、精密ではあるが低コストに作れる
まずSSDは、製品自体は簡素に見えますが、半導体製造の工程にかかる投資が莫大という点が高値に結び付いていそうです。
工場への設備投資は数千億、場合によっては兆単位になるわけで、これを回収するための価格上乗せは仕方ないのでしょう。
しかも積層化が進んでいて常に技術的なアップデートが必要ですし、投資と回収の連続で価格が下がる局面がないと。
また、HDDはすでに技術的な進歩は非常に緩やかになっていて、SSDに比べると止まっているも同然。つまり枯れた技術です。
自動車の鉛バッテリーと同じで、技術的には数十年変わっておらず、細かなアップデートが続いているだけなので、誰が作っても似たようなコストになります。
ここに市場原理が加わり、安値が続いているのでしょう。素人目線ですが、何となくSSDが高い理由がわかりました。あとまあ、利便性(読み書きの速度)が圧倒的にHDDよりも上なので、SSDは高値でも売れてしまうという側面もありますね。
個人的には、読み書き速度の向上よりも安価に大容量化してほしいですね。2TBが1万円くらいがSSDの相場になってくれたら、もうHDDは必要ないかなと思います。