グラボの性能評価は「パーセンタイル」で見るべし
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グラボはTDPやベンチマークスコアで評価されるのが一般的ですよね。私もこの2つは必ずチェックします。
しかし、実際にはゲーム中に性能が細かく変化していることから、この2つだけでは「体感」の部分を評価することはできません。
そこで今回は、グラブの性能評価で非常に重要な「パーセンタイル」について解説します。
パーセンタイルとは?
パーセンタイルとは、簡単に言えば「数値のばらつき(分布)」を整理し、小さい数値から順に並べ替えて、「該当する数値がどの場所にいるか」を測定するための単位です。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、仮に50パーセンタイルであれば、「100回計測した結果を並べ、下から50番目に位置する値」と表すことができます。
気を付けてほしいのは、パーセンタイル=%(パーセント)ではないということ。パーセントは率ですが、パーセンタイルは「位置」です。
統計の話しになってくるのでイメージしにくいかもしれませんが、何度も負荷試験を重ねて性能評価を決定するような産業用機器の分野では、パーセンタイルがよくつかわれます。
グラボも精密機械ですから、パーセンタイルによる評価が適しているはずです。実際に、一部のベンチマークソフトではパーセンタイルが使用されていますからね。
グラボの性能評価におけるパーセンタイルの使い方
グラボの性能評価では、「FPS(1秒あたりのフレーム数)」が使われますが、これをパーセンタイルで表すことで具体的にどの程度のフレームレートが実現されているのかを知れるのです。
私の感想では、パーセンタイルをしっかりチェックしなければ実際のグラボの性能はわからないと思います。
例えば10パーセンタイル(計測回数のうち下位10%)のフレームレートが「100」ならば、90回以上は100FPSが出ているため、「大体100FPSは出るグラボだな」という評価になります。
しかし、50パーセンタイルが100であれば「最大FPSは120でも100回のうち50回は100FPSを下回るのか」という評価になるわけです。要はちょっと不安定なわけですね。
ただし、パーセンタイルは一定以上の回数を計測しなければ信憑性が薄れてしまいます。なので、人間が手動で行うよりもツールに任せてしまったほうが安心ですね。
個人的なおすすめは、NVIDIAの公式計測ツール「Frame View」でしょうか。今も日常的に使っているのですが、シンプルで見やすく重宝しています。
Frame Viewはこちら(https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/technologies/frameview/)からダウンロード可能です。
Frame Viewを起動すると、次のような項目が表示されます。
- AVG:平均フレームレート
- 90th:全体の9割がクリアしている数値(10パーセンタイル)
- 95th:同じく5パーセンタイル
- 99th:1パーセンタイル
平均はそのままの意味ですが、90、95、99はそれぞれ10パーセンタイル、5パーセンタイル、1パーセンタイルを意味しています。
つまり、ここに表示される数値は「小さいほうから数えて何番目の位置か」を表しているわけですね。なので、もし99thが100と表示されていれば、1パーセンタイルが100FPSとなります。
すなわち「試行回数全体の99%以上がクリアしている数値」となるわけです。私はだいたい95thをチェックしていますが、99thが安定して高いグラボはいわゆる「当たり」ですね。
個体差もあるのかもしれませんが、同じグレード・メーカーでも少しずつ違うことがあり、なかなか面白いですよ。