2022年のCPU売り上げランキングから見えるゲーミングPCの需要
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PC全体の売り上げが落ちている中で、ゲーミングPCの売り上げはまだまだ堅調なようですね。しかし、どの程度の性能を持ったゲーミングPCが求められているのかは、その時々によって変わります。
そこで2022年のCPU売り上げランキングから、ゲーミングPCにどの程度の性能が求められているのかをまとめてみました。
2022年のCPU売り上げランキング1位は「i5 12400F」
早速、2022年のCPU売り上げランキングを見ていきましょう。今回は全国の主要家電量販店やネットショップにおける実売データを収集している「BCNランキング」を引用します。
2022年CPU売り上げランキング(1/11~12/11のデータ)
1位:Core i5-12400F(2.5GHz)
2位:Core i7-12700
3位:Ryzen 5 5600G(3.9GHz)
4位:Core i5-12400(2.5GHz)
5位:Ryzen 5 5600X(3.7GHz)
6位:Ryzen 7 5700X(3.4GHz)
7位:Core i7-12700K
8位:Core i3-12100(3.3GHz)
9位:Core i3-12100F(3.3GHz)
10位:Ryzen 9 5900X(3.7GHz)
出典:BCN+R(https://www.bcnretail.com/research/detail/20230105_309724.html)
1位は第12世代CoreシリーズのミドルレンジCPU「Core i5 12400F」でした。末尾FのIntel製CPUは、内蔵グラフィックを省いた廉価版ですが、グラボありきのゲーミングPC市場では根強い人気がありますね。
CPUとしての基礎性能はしっかりと確保し、なおかつ安いという点が人気の理由なのだと思います。
2位はハイエンドのi7 12700ですが、3位~5位は再びミドルレンジが登場。また、8位と9位にはエントリークラスであるi3がランクインするなど、やはりエントリー~ミドルレンジは売れ線であることがわかります。
「最新世代」はそれほど求められていない
ここでAMDのCPUに着目すると、ランクインしているのは軒並み1つ前の世代である「5000番台」であることがわかります。
最新世代の「Zen4」、つまり7000番台のCPUはひとつもランクインしていません。7000番台の発売が2022年9月末でしたので当然といえば当然なのですが、さすがに1つはランクインするかなと思っていたので意外です。
Intelも10月に第13世代Coreシリーズが発売されたものの、こちらもランクインはなし。つまり、ほとんどのユーザーは最新世代のCPUを求めているわけではなく、「ある程度評価の固まった1世代前のCPU」を求めていることがわかります。
家電量販店では最新世代のCPUを扱うまでに時間がかかりますが、ネットショップでは発売後数日で売り出されますからね。本当に必要とされていれば、それなりの数が出るはずです。
かくいう私も、実は発売後すぐに最新世代のCPUを購入した経験はほとんどありません。次の世代が売り出される、という情報がでた段階で、現役世代のミドルレンジを購入するというパターンが最も多かったと思います。
理由は色々あるのですが、型落ちになる直前は値下げがあったり、流通量が安定していたりと購入までのハードルが下がることが大きな要因ですね。
CPUの性能はすでに飽和状態で、ほとんどのPCゲームで最新世代の性能が必要とされていないというのも大きな理由だと思います。
型落ちミドルレンジは鉄板
ということで、2023年になっても「1世代前の型落ちミドルレンジCPU」は、まだまだ強いようです。
CPUはハイエンドモデルから発売されるので、入手する機会としてはハイエンドモデルのほうが多いはずなのですが、売れるのはミドルレンジですね。
Intel・AMDともにミドルレンジを本命としており、その前哨戦としてハイエンドを出しているというのが実情ですから。
IntelであればCore i5 の末尾F、AMDであればRyzen 5がゲーミングPC向けの主戦場になるのはこれからも変わらないと思います。実際にPCゲーマーが求める性能も、この価格帯に集まっていますからね。
また、必然的にゲーム開発企業も、ミドルレンジでしっかり遊べるタイトルを出しています。やはり限られた予算でPCゲームを楽しむには、ミドルレンジを狙い続けるのが最適解のようです。