ゲーム人口は何を見て判断すべきか
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オンラインゲームの人気を語るうえで、たびたび話題になる「ゲーム人口」。
この“人口”という言葉、実際は何をもって判断すべきなのか、明確な基準があるわけではありません。
今回では、ゲーム人口の見えにくさや、定義・指標の違い、そして本当に重視すべきポイントについて解説します。
「ゲーム人口」はなぜ把握しづらいのか
ゲーム人口という言葉は一見わかりやすそうですが、実態はとても曖昧です。その理由は以下のとおりです。
- 公式に人数が発表されることが少ない
- プラットフォームが複数あるため、分散して見えにくい
- 一度ログインしただけのアカウントも含まれていることがある
- アクティブユーザー(実際にプレイしている人)の定義がバラバラ
ゲーム人口の定義と測り方:いくつかの視点
ゲーム人口を正確に把握することは簡単ではありません。その理由の一つが、「何をもって“人口”とするか」という定義のばらつきです。
以下は、主に使われるゲーム人口の定義と、それぞれの特徴を整理したものです。
総登録アカウント数(Total Registered Users)
ゲーム公式がよく発表する「1,000万人突破!」などの数字は、主にこの定義に基づきます。
インストールまたはアカウント作成された時点でカウントされるため、実際にプレイしている人とは一致しないのが最大の注意点です。
- インパクトがあり、マーケティング的には有効な指標。
- 放置アカウントや複数アカウント(サブ垢)も含まれる。
- リテンション率(継続率)とは無関係で、瞬間的な最大値である可能性が高い。
月間アクティブユーザー(MAU:Monthly Active Users)
「直近1か月で1回以上ログイン・プレイしたユーザー」の数です。実態に近いプレイヤー数を把握するための、最も現実的な指標とされています。
- 運営の健全性や、サービスの“生きている感”を測るのに最適。
- ソーシャルゲーム・PCゲーム問わず、多くの企業が決算資料等で公開。
- 単発ログインもカウントされるため、熱量の高いコア層の実態は見えにくい。
- ゲームによって計測方法に差異あり(ログイン時間や回数の有無など)。
デイリーアクティブユーザー(DAU)
毎日どれだけのユーザーがログインしているかを示す指標です。MAUに比べて、より「日常的に遊んでいる層」の動向を捉えることができます。
- ゲームの“活気”や“定着度”を知るうえで有効。
- イベントやメンテナンスの影響を短期で把握できる。
- 公開される機会は少なく、主に企業内指標として使われる。
同時接続数(Concurrent Users)
特定の瞬間に、何人のユーザーがサーバーに接続しているかを示す数値です。
Steamなどではリアルタイムに確認できるゲームも多く、実プレイヤーの“密度”を知るうえで非常に参考になります。
- 時間帯ごとのピーク・過疎が見える。
- 他タイトルとリアルに比較しやすい。
- 多くのコンシューマーゲーム・スマホゲームでは非公開。
- 瞬間風速的な数値であり、全体像とは限らない。
「ゲーム人口」よりも大事なこと
たしかに、ゲーム人口が多いことは安心材料のひとつです。
ですが、それ以上に重要なのが、「ともにプレイする仲間がいること」と「良いプレイ環境があること」です。
具体的には、
- 一緒に遊べるフレンドやクランがいる
- 活発なDiscordコミュニティや交流の場が存在している
- 初心者でも参加しやすい雰囲気がある
- 運営が継続的にコンテンツのアップデートを続けている
こうした“体験価値を支える土壌”があるかどうかの方が、“人口”よりもプレイヤー満足度に直結します。
ゲーム人口はひとつの指標に過ぎない
ゲーム人口は、単なる数値です。
たとえば、新規参入市場の規模を把握したいなら「総登録数」、ユーザー定着を分析したいなら「MAU・DAU」、コミュニティの健全性や盛り上がりを見たいなら「同時接続数」や「配信視聴数」が参考になります。
また、マッチング速度やSNSアクティビティ、イベント動向などの定性情報を活用することで、実態を近似的に把握することは可能です。
しかし、忘れてはならないのは、“数字”の裏側にある「ユーザー体験」や「共にプレイする環境」の質こそが、中長期的な満足度を決定するという点です。
昔のように大規模な人口を抱えるゲームは少なくなり、分散していますから、人口以外の部分でもゲームを選んでいきましょう。