実は最重要?チップセットの役割とは
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PCを構成する数多くのパーツの中で、最も重要なものは何でしょうか。私は「チップセット」だと思います。
普段はあまり意識されることのないチップセットですが、PCの主要なコンポーネント間のデータ転送を制御し、システム全体のパフォーマンスと安定性を大きく左右する、まさに縁の下の力持ちと言える存在です。
今回は、チップセットの基本的な役割を改めて整理してみたいと思います。
チップセットとは 「PCの交通整理を行う司令塔」
チップセットは、マザーボードに搭載された複数のIC(集積回路)のセットのことで、主にノースブリッジとサウスブリッジという2つの主要なコンポーネントで構成されていました。
近年では、CPUにノースブリッジの機能が統合される傾向にあり、チップセットは主にサウスブリッジの機能を引き継いだものが主流となっています。
マザーボードのやや下側中心部にあることが多いですね。チップセットの主な役割は、端的に言えば「交通整理」です。
具体的には、CPUとメモリ間の高速なデータ転送、グラフィックボードとの連携、ストレージデバイスとのデータのやり取り、USBやPCIeなどの拡張インターフェースの制御など、多岐にわたります。
またチップセットの種類によって、対応するCPUのソケットタイプ、メモリの規格や最大容量、拡張スロットの数や種類、内蔵インターフェース(USBポート数、SATAポート数など)などが異なります。
CPUを選ぶ際には、対応するマザーボードを選ぶ必要がありますよね。これは別な言い方をすれば「対応するチップセット」を選んでいるわけです。
チップセットの具体的な役割
チップセットの役割をもう少し詳しく見ていきましょう。
CPUとメモリの制御
CPUはプログラムを実行するために必要なデータをメモリから読み書きします。
チップセットは、CPUとメモリ間のデータ転送速度や帯域幅を制御しています。対応するメモリの規格(DDR4、DDR5など)や最大容量は、チップセットによって異なります。
グラフィックボードとの連携
多くのデスクトップPCでは、CPU内蔵のグラフィックスや独立したグラボを使用します。
チップセットは、グラフィックボードとCPU、メモリ間のデータ転送を行うためのインターフェース(主にPCIe)を制御します。
チップセットの種類によって、サポートするPCIeのレーン数や世代(PCIe 4.0、PCIe 5.0など)が異なります。
ストレージデバイスとの接続
SSDやHDDなどのストレージデバイスは、プログラムやデータを保存するために使用されます。チップセットは、これらのストレージデバイスとのデータ転送を行うためのインターフェース(SATA、NVMeなど)を制御します。チップセットの種類によって、接続可能なストレージデバイスの数や転送速度が異なります。高速なNVMe SSDの性能を最大限に活かすためには、対応するチップセットが必要となります。
拡張インターフェースの制御
PCには、サウンドカード、LANカード、キャプチャーボードなど、様々な拡張カードを接続するためのPCIeスロットや、周辺機器を接続するためのUSBポートが搭載されています。
チップセットは、拡張インターフェースの動作を制御し、接続されたデバイスとのデータ通信を管理します。
チップセットの種類によって、利用可能なPCIeレーン数やUSBポートの数、規格(USB 3.2 Gen 2×2、Thunderboltなど)が異なります。
チップセットはPCの可能性を左右する重要な要素
普段は目立たない存在であるチップセットですが、PCの各コンポーネント間の連携をスムーズに行い、システム全体のパフォーマンスと安定性を支えているわけですね。
次回のPCパーツ選びの際には、CPUやグラフィックボードだけでなく、マザーボードに搭載されているチップセットの種類とその機能にも注目してみてください。
ちなみに「CPUやグラボのグレードの割には安いな…」というゲーミングPCは、だいたいチップセットのグレードが低いです。つまり拡張性が少し落ちているわけですね。
全てがこのケースに当てはまるわけではないですが、参考にしてみてください。