「DirectX」についての基礎知識
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ネットゲームをする際に必ず関係してくる用語「DirectX」。「DirectXが最新版であること」などの表記をよく見かけると思います。
このDirectX、一体何が詰め込まれているものであるかご存じでしょうか。今回は、知っているようで知らないDirectXの基礎知識を解説します。
音・描画・入出力のためのAPI群
そもそもDirectXって何?という質問に対して、正面から答えることは難しいのですが、簡単にいえば「音・描画・入出力のためのAPI群」です。
DirectXは、特にPCゲームをはじめとするマルチメディアアプリケーションのための一連のAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)で、Microsoftが開発しています。
特にPC向けのビデオゲームの開発で広く使用されており、ゲームがWindows上で高性能なグラフィックスとサウンドを提供できるようにサポートするのがDirectXです。
現在(2024年春時点)の最新版は、DirectX 12 Ultimateですね。以下は、DirectXの主要な機能です。
1. DirectX Graphics
DirectX Graphicsは、3Dグラフィックスを扱うためのものです。これにより、開発者は複雑な3Dシーンやアニメーションをより簡単に作成できます。
現在、3Dグラフィックス開発には主にDirect3D 11 APIが使用され、Direct3D 9レベルやDirect3D 10レベルのハードウェアでも、Direct3D 11 APIを使用して開発することが可能です。
2Dグラフィックスとテキストには、Direct2DとDirectWriteが使用され、これらはWindows Graphics Device Interface (GDI)よりも優れたパフォーマンスを提供します。
2. DirectX Audio
DirectX Audioには、ゲームでの音響処理とミキシングの基礎を提供するXAudio2 APIが含まれます。XAudio2は、以前のDirectSound APIを置き換え、より高度なオーディオ処理機能を提供します。
また、XInput APIは、Windowsアプリケーションがゲームコントローラーの相互作用を処理するために使用され、以前のDirectInput APIの代わりになります。
3. DXR (DirectX Ray Tracing)
光の挙動をリアルにシミュレートし、リアリスティックなグラフィックス効果を提供する技術です。環境内の光の反射や影などが、実生活に近い方法で表現されます。
4. Variable Rate Shading (VRS)
シェーディングのレートをシーンの異なる部分で調整し、GPUの処理能力を必要な部分に集中させることができます。パフォーマンスの向上と同時に、グラフィックス品質を保ちつつ、効率的な描画が可能です。
5. Mesh Shaders
伝統的なジオメトリパイプラインの限界を超え、より柔軟で高性能なグラフィックス処理が可能になります。
6. Sampler Feedback
テクスチャのロードタイミングを最適化し、ビジュアル品質を向上させながらロード時間を短縮し、スタッタリングを減少させます。
ゲーム側は必要なテクスチャデータのみを効率的にロードできるようになり、メモリと帯域の使用を最適化します。
DirectXがやっているのは「ハードウェアとソフトウェアの間の橋渡し」です。ハード側やOSの進化によって内容はどんどん変わっており、今後も変わっていくでしょう。
DirectXのバージョンが合っていないとどうなる?
DirectXは最新版にしておけば特に問題ありませんが、ゲーム側の開発バージョンが古いと、挙動が少しおかしくなることもあります。
例えば、「必要な効果音が鳴らない」「グラフィックが一部崩れる」「色がおかしい」などですね。致命的な不具合にはならないでしょうが、あまりにも古いタイトルには注意が必要です。
とはいえ、Windows Updateをこまめにかけておけば、まず最新になるはずなのでそれほど心配はいりません。