キー入力を極限まで加速する「ラピットトリガー」の凄さ
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最近、ハイエンドキーボードの一部で「ラピットトリガー」に対応するものが増えています。
ラピットトリガー対応のキーボードは非常に反応がよく、長時間にわたってシビアな操作をしていてもストレスが溜まりません。
今回はあまり知られていないラピットトリガーのメリットを紹介します。
アクチュエーションポイントの弱点
ゲーミングキーボードは、キー入力の反応を調整できる「アクチュエーションポイント」に対応したものが増えています。
特に高価なグレードになると、アクチュエーションポイントを浅めに設定し「キーに触れたらすぐに入力される」という使用感を出すことも可能です。
FPSなんかでは凄く良い機能ですよね。しかし、このアクチュエーションポイントにも弱点があります。
入力反応は早いがリセット反応が遅い
アクチュエーションポイントを浅めに設定すると、「入力」が検知されるまでの時間は短くなりますが、「リセット(つまりキー入力がオフ)」が検知されるまでの時間が長くなってしまうという弊害があるのです。
例えば、キーストロークが4mmで、アクチュエーションポイントが通常2mmに設定されたキーボードを想定してみましょう。
キートップを2mm押し込んだ時点で入力の反応があります。一方で、リセットポイントは通常、アクチュエーションポイントのすぐ上に設定されるので、キートップから約1.9mmです。
つまり、ストロークを目いっぱい使ってキーを押し込むと、「2mmの押し込んだ時点で入力の反応があり、さらに押し込んでから2.1mm(4㎜-1.9mm)もどったところでリセットの反応がある」ことになりますよね。
次に、アクチュエーションポイントを1.5mmに設定しましょう。この場合は、「1.5mm押し込んだ時点で入力の反応があり、さらに押し込んでから2.6mm(4㎜-1.4mm)もどったところでリセットの反応がある」イメージになります。
比べてみますと、
標準時:2mmの押し込んだ時点で入力、2.1mm(4㎜-1.9mm)もどったところでリセット
1.5mmにカスタマイズ時:1.5mmの押し込んだ時点で入力、2.6mm(4㎜-1.4mm)もどったところでリセット
という具合になり、入力の反応は早くなるものの、リセットの反応が遅くなってしまうので、せっかくのアクチュエーションポイントの意味が薄れてしまうというわけです。
ちなみにリセットまでの距離が長くなると、「あとちょっと動きたい」みたいな精密な動きがしにくくなります。入力時間が長くなるので、実は精密さが失われてしまうのです。
入力とリセットをリニアに判定
このアクチュエーションポイントの弱点は、「判定ポイントが固定されている」ことが原因です。
限られたストローク量の中では、単に反応ポイントだけを速めても、リセットポイントまでの距離が長くなってしまいます。
この点を克服するのが、ラピットトリガーです。ラピットトリガーは、端的に言えば「押したら入力、戻り始めたらリセット」という判定をリアルタムで行うもの。
キーが浅かろうと深かろうと、押したら入力・戻り始めたらリセット、なのでキーを戻し切らずに連打するような場合でも反応が早いのです。
人間の素早く細かい指の動きをそのまま入力・リセットに反映できるのがラピットトリガーの強み、というわけですね。
繊細、精密な動きに超強い
ラピットトリガーの無効・有効を切り替えるとわかるのですが、「チョイ押し」で微妙にエイムを調整したい場合の精密さがかなり変わります。
「あとほんのちょっと右…ああ、行き過ぎ!」みたいなストレスがだいぶ減るのです。これは入力とリセットが超短時間で切り替わるためで、上級者ほど恩恵が大きいはず。
私の知人も、「慣れるまでに時間はかかるが、一旦なれると離れられないかも」と言っていました。ちなみに彼はFPS歴12年ほどのベテランです。
海外のゲーミングキーボードを中心に採用が広まっていますので、次の買い換えの時にはぜひ意識してみてください。