CPUの「反り」はなぜ起こるのか?対処法は?
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今、自作PC界隈でIntelの第12世代CPUが悪い意味で話題になっています。なぜなら、CPUが「反り」を起こしてしまうという報告が上がったからです。
公式は認めていませんが、Youtubeなどでは結構な話題になっているようですね。実はCPUが反ってしまうリスクは、今に始まったことではありません。
今回はCPUの反りが何故起こり、対処法はあるのか、といった点を解説したいと思います。
CPUの「反り」とは何か
まず、CPUの反りについて簡単に解説しておきましょう。CPUの反りとは、文字通りCPUが歪んでしまう問題で、2022年2月時点ではIntelのCoreシリーズ12000番代が槍玉に挙げられていますね。
情報の発信源は、海外の有名な自作PC情報サイト「igor’S LAB(イゴールズラボ)」。私も何度か見たことがあり、影響力のあるサイトです。
同サイトによれば、「Alder Lake」では、この世代から採用されたLGA1700の固定器具の圧力が強く、CPUを圧迫するためにCPUが反ってしまうとのこと。
また、CPUが反ってしまうことでCPUクーラーとの密着が不十分になり、熱伝導性が低下し、不具合や故障のもとになると伝えています。日本でも瞬く間にこの情報はひろがり、多数の検証動画が挙げられました。
この事件に関しての個人的な意見ですが、「歪んだのは固定器具が原因ではなく、別のものが影響しているのではないか」という見方に賛同しています。
製造ロットによって製造過程に問題があり、特定のロットのみ発生している不具合とも考えられるでしょう。
ただし、CPUの仕様にもリスクが有ることは確かなようですね。そこで、なぜCPUの反りが起こるのかを整理してみたいと思います。
CPUが反る原因
CPUが沿ってしまう原因としては、以下2つが挙げられます。
- 固定器具の圧力が適正ではなく、圧力をかける範囲も不適切
- CPUクーラーの重みによって長い時間をかけて歪む
今回は、自作したばかりのCPUで報告されていますから、1の可能性が高いと言えます。では、本当にAlder Lakeで1が起こってしまうのでしょうか。
結論から言うと「可能性はゼロではない」という曖昧な言い方しかできません。ただし、Alder LakeはこれまでのIntel製CPUとは異なる点がいくつかあります。それは下記2点です。
- LGA1700のCPU固定レバーが非常に硬い(女性では組み立てが難しいレベル)
- CPUの作り自体が「縦長(長方形)」である
マザーボードがCPUを固定する圧力が高い上に、CPUが縦長なことで強度のバランスが崩れ、CPUが反ってしまうという理屈ですね。
マザーボードメーカーは、Intel社が提供した仕様に基づいて、忠実にCPU固定の仕組みを再現しますから、これは言わば「Intel側の設計ミス」と捉えられる可能性があるのです。
実際に多数の記事や動画でその点が指摘されているようです。私は確証がないうちに決めつけるのはどうか…という立場ですが、一理あるとも言えますね。
そもそも以前からあった「CPU反り」のリスク
CPUが反ってしまうリスクは、実は2015年ころから指摘されていました。ちょうどSkyLake世代(6000番代)が夜に出た頃ですね。
実は6000番代のCPUから、CPU自体が薄くなり、それに伴って強度不足と考えられる歪みや故障が発生していました。私は経験したことがないのですが、知人にひとりだけ、CPUが歪んだという人がいましたね。
その方は結局、初期不良という体で交換してもらったようですが、今回のAlder Lakeで同じ対応が可能かはわかりません。あくまでも一部のロットの不良ということで、初期不良対応が行われる可能性はあるでしょう。
一般的に、CPU自体が歪んでしまうと、個人レベルでは修復が不可能です。ネットでは5mm厚のワッシャーを設置することで解決するという情報もありますが、個人的にはあまりおすすめしません。
長期使用の中で問題が起こっても、まず間違いなくサポートされないからです。今できる対処法としては、「様子見」「不具合報告をサポートにしっかり上げる」という2つしかありませんね。
Alder Lakeは非常に良いCPUなので、一刻も早く騒動がおさまることを願っています。