SSDの完全データ消去と廃棄する方法
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HDDは内部のプラッターと呼ばれる円盤にデータが記録されており、このプラッターを破壊することで廃棄に向けた完全なデータ消去が可能です。
しかし中途半端な破壊では残留磁気を読み取る機械などを使いデータを読み出せるケースもあり、徹底的な破壊が求められます。採用率が増えているSSDも廃棄前には物理破壊が前提になりますが、HDDと構造が異なり形状も様々なSSDを的確に破壊するにはコツがあります。
そこで今回はSSDの完全データ消去と廃棄についてご紹介します。
黒いメモリチップを徹底的に粉砕する
SSDの基板上には大小様々なチップがはんだ付けされており、その中でもひときわ大きく同じ物が大量にはんだ付けされているチップがメモリチップです。
メモリチップ一枚だけからでもデータを復元することは可能であり、完全なデータ破壊を求めるなら全てのメモリチップを粉砕しなければなりません。
しかしチップは複数の端子で強力に固定されており、力任せに基板ごと破壊を試みるかドリルなどで多数の穴を開ける作業になります。力の弱い女性には難しい上、作業音も大きく場所や時間帯を考慮しましょう。
2.5インチSATAタイプの場合
2.5インチSATAタイプのSSDはSSD基板が2.5インチケースに収納されており、通常はプラスドライバーで分解取り出しが可能です。基板を取り外した後はM.2タイプのSDDと同じくメモリチップを狙って物理破壊を目指します。見た目が同じのeMMCも同様の手順で破壊可能です。
タブレットパソコンなどメイン基板に直接はんだ付けされている場合
タブレットパソコンやスリムタイプのノートパソコンではマザーボード上に直接SSDが実装されている製品も多く存在します。このような場合もメモリチップに狙いを定めて破壊を試みますが、そもそもメモリチップの判断が付かない場合や完全分解しないとメモリチップにアクセスできないことも多く作業は困難です。
無理に分解するとリチウムイオンバッテリーを傷つけてしまい火災に繋がりかねないため、物理破壊専門の業者へ依頼や数年間放置してSSDが過放電でデータが消えるのを待つ方が無難です。
廃棄方法は自治体ごとに異なるが、廃棄基板の回収サービスなども活用できる
粉砕した基板やメモリチップの処分方法は各自治体ごとに異なりますが、不燃物や金属ゴミとして処分可能なケースがほとんどです。
なおレアメタル抽出を目的に回収を行っておる事業者も多くある程度まとまった量があるなら依頼する方法もあります。粉砕した基板やメモリチップから発生する粉塵は人体に有害なため、誤って吸い込まないよう注意が必要です。
メモリチップ粉砕前にソフトウェア消去も効果あり
SSDメーカーの多くがデータ消去機能があるユーティリティーを提供しており、粉砕前にソフトウェアで消去すればより安全です。
消去以外にもSSDドライブ全体を暗号化し、他のデバイスでデータを読み取れないようにすることも有効ですが、物理破壊ほどの効果はありません。あくまで物理破壊が不完全だった場合に備えた保険としての作業であり、過信できない点には注意しましょう。
まとめ
SSDは様々な形態で機器に組み込まれており、ひとつのメモリチップに膨大な情報が記録されています。確実にデータを破壊し、廃棄後のデータ漏洩を防ぐにはハードルの高い物理破壊しかありません。
最近ではSSDのデータ消去を専門に扱う業者も増えてきており、分解が不慣れなら下手に手を出さず依頼した方がおすすめです。