「古いPCを小型化」がオススメできない理由
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自宅に古いPCが全く使用されずに放置されていたとき、ふと「パーツを流用して小型PCを作れないか」と考えたことがありました。
古いPCとはいえ、CPU・GPU・メモリあたりはまだまだ使用できるため、もったいないと感じてしまうのですよね。
実際に、何度か小型化を試みたこともありました。しかし、その経験から言うと古いPCの小型化はあまりおすすめできません。
古いPCの小型化は「高くつく」
古いPCの小型化をおすすめしない最大の理由は「総合的に割高になる」からです。
まず、小型化のためには新しいマザーボードが必要になるわけですが、「古い規格(チップセット)」で「小型のマザーボード」は決して安くないのです。
例えばIntelの第6世代CPUに対応する廉価チップセット「H110」を搭載するmini-ITXマザーボードを調べてみると、新品価格が「1~4万円」であることがわかります。
ちょっと珍しいモデルになると、5万円以上になります。オークションなどで中古を探すと6~7000円で見つかりますが、個人的にマザーボードの中古購入はちょっと手が出しにくいですね。
マザーボードは、CPUやGPUに比べるとしっかり「劣化」するパーツです。高負荷・高熱で長時間使用することで、確実にコンデンサや電源回路は劣化しますから。
また、組み立てや清掃の際に傷がついていないとも限りません。BTOショップの中古パーツのように現物を見ることはできないわけですから、リスクの判断が難しいのです。
新品を確保すると発売当時の価格の2~3倍、中古は故障リスクがある、となればあまり良い選択肢とは言えないのです。
拡張性が無い
次に大きな理由としては、「拡張性が低い」という点が挙げられます。
PCの拡張性は「CPU」「GPU」「メモリ」「ストレージ」を組み付けるスロットで決まります。
古いPCを小型化する場合、CPUとGPUはそのまま流用するとして、メモリとストレージは増設・交換が可能です。
しかし、そもそも対応メモリの規格自体が古かったり、ストレージがSATAにしか対応していなかったりすると、パーツ追加・交換による効果はあまり期待できません。
また、マザーボードと同じように古いメモリやストレージも価格は「それなり」です。新品の現役世代よりは安いものの、性能や品質を考えると非常に微妙なラインなのです。
保証はほぼ期待できない
電源のように購入から5年や10年といった長期保証を設けているパーツばかりならばよいのですが、大抵のPCパーツは1~3年程度で保証期間が終了します。
実際にIntel製のCPUでは、3年が保証期間の目安です。また、もともとがBTOパソコンやメーカー製のパソコンだった場合、マザーボードを交換した時点で保証対象外となります。
もし、BTOショップや国内メーカーで延長保証に加入しているPCならば、わざわざ保証対象外にしてまで(さらに割高なパーツを購入してまで)小型化する必要性があるかな…と考えてしまいます。
小型化よりも「用途特化」や「保守物品化」がおすすめ
ということで、私の個人的な答えは「無理に小型化するよりも、特定の用途に特化させる」ことでした。
最も簡単なのは、ストレージを可能な限り増設して簡易NASにしてしまうことでしょう。これならば、安いHDDやSSDをポン付けするだけですから、たいして手間もリスクもありません。
また、完全に分解して保守物品にしてしまうという方法もあります。この場合は、CPUやGPUは売り払い、ストレージや電源を保管するイメージになるでしょう。
無為な小型化はお金と手間がかかるうえに徒労に終わる可能性が高いため、よくよく考えて実行するようにしてください。