CPUグリスの代用になる意外な小物
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夏のPC冷却対策のひとつである「CPUグリスの塗り替え」。CPUグリスにはさまざまな種類がありますが、どれも塗りなおすのはちょっと面倒ですよね。
そこで、CPUグリスの代わりになる意外な小物を紹介します。
CPUグリスの代用品「熱伝導シート」
実は私も最近まで知らなかったのですが、CPUにグリスではなく「熱伝導シート」を張り付ける人々がいるらしいのです。
このことを知人から聞かされた時は「ネタ改造かな?」と思いましたが、どうやらそうではないらしい。
ちょっと気になったので調べてみると、しっかりPCパーツとして熱伝導シートが売られています。
具体的にはワイドワークの「STT-M50α」という製品。超高熱伝導放熱シートというだけあって、かなりの熱伝導効率を誇るようです。
熱伝導率によってランク分けされており、最も高いものは3センチ四方で2300円ほど。ちょっと高いですが、使用感を調査してみると結構評判が良いのです。
施工性はグリスより上?
グリスから熱伝導シートに移行する方の多くは、「扱いが楽」という点にメリットを感じているようですね。
グリスは塗り方によってはムラが発生しますし、ふき取りや塗りが面倒だというデメリットがあります。
一方、熱伝導シートならばCPUの表面に張り付ければよいだけですし、はがす時もフィルム状であるため、グリスよりも手軽です。
Amazonのレビューなどを見ると、扱いやすさや放熱性の良さに対するコメントが多いため、冷却性能はそこそこ優秀なようですね。
また、CPU以外にもM.2 SSDやマザーボードのチップセットなど、さまざまな場所の冷却に使えそうです。
経年劣化もグリスに比べると緩やかなようで、数年単位で交換しているとのコメントも見られます。ということで、実際に購入して使ってみました。
扱いにコツは必要だが確かに優秀
私が購入したのはSTT-M50αの熱伝導率50W/m・Kタイプ。最も熱伝導率が高い製品です。
確かに施工性はよく、CPUグリスの塗り直しに比べると簡単に設置できました。フィルムを張り付けるだけですからね。
ただし、やや千切れやすいというか脆さを感じるシーンがあったため、取り扱いにはコツが必要かもしれません。
といっても、初見でしっかり貼れましたので、そこまで神経質になる必要はなさそうです。貼り付けた後は、ベンチマークで負荷をかけて冷却性能を見てみました。
検証に使ったおはCore i5 10400だったのですが、このCPUはOCCTで負荷をかけると大体60度台まで温度が上昇します。
ちなみにCPUグリス、クーラーともに標準(パッケージに付属するもの)の状態です。これをはSTT-M50αに変更すると…結果はほとんど同じでした。
つまり、冷却性能という意味では通常のシリコングリスとあまり変わらないようなのです。単純な冷却性能ならば「シルバーグリス>熱伝導シート≒シリコングリス」なイメージでしょうか。
ちょっとがっかりですが、施工性が良いことや経年劣化が少ないことは評価できるポイントですね。
個人的な感想を言えば、CPUに使うよりもM.2 SSDやチップセットにヒートシンクを取り付ける際に重宝しそうだなと思います。
ただし、曲面に張り付けると密着せずに熱伝導率が下がってしまいますので、平面な場所に設置するようにしましょう。