かずのこ選手とG-Tuneに直撃取材!プロゲーマーとスポンサーから見たプロゲーマーに必要な要素
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プロゲーマーになるためにはどんなことをすればいいでしょうか。ゲームが強いこと?確かにそれも必要でしょう。でもそれだけでプロゲーマーになれるとは到底思えません。
そこで格闘ゲームのプロゲーマーである「かずのこ選手」と、スポンサーであるG-Tuneに話を伺ってきました。テーマは「プロゲーマーとスポンサーから見たプロゲーマーに必要な要素」です。また、「プロゲーマーをスポンサードして利益になっているのか」等かなり突っ込んだ話もしています。
なお、かなり削ったにもかかわらず10000文字を越えてしまったので、ブックマーク等しておいて時間のある時にゆっくり読むことをおすすめします・・・。
登場人物
- 杉澤さん – 株式会社マウスコンピューター コンシューマ営業統括部 コンシューママーケティング室室長
- 宮尾さん – GODSGARDENのマネージャー的存在
- かずのこ選手 – Team:GODSGARDEN所属のプロゲーマー
- うらみん – 当サイトの運営者。かずのこ選手と同じく、元々は川越の格闘ゲーマー。バーチャファイター4でセガ公式の全国大会まで進んだことがあります。
G-Tuneがどのような活動をしているか
私が知る限りでは国内パソコンメーカーの中で、マウスコンピューター(G-Tune)がゲームのイベントや大会へのサポートを最も積極的にやっているように見えます。
元々はセガさんやカプコンさんのゲーム体験会等にパソコンを30~50台貸し出す等、お手伝いしていました。そこから弊社としてもパソコンでゲームをすることの良さを伝えなくてはならないと思いました。
なおかつ極端な話をすると、詳しい方からするとパソコンはCPU、メモリ、グラフィックボード・・・と同じパーツを搭載したら額面上は同じスペックになるわけです。
そこで品質や安定感の違いを実感して頂く必要があるだろうと考えました。例えばどれだけエアフローが大事だと言っても、すべてのパソコンメーカーがエアフローにこだわってると言うわけです。
このようなスペック表だけだとわからない部分は体感するしかないと思っています。もしもオフラインのイベントでパソコンがトラブルになってしまうと、イベント運営側は大変なことになります。
このような失敗が許されない環境へ機材を提供することは、絶対的な品質への自信がないとできません。そしてイベントで当たり前に使えていることが一番大切です。
イベントに来てくれた方々がG-Tuneのパソコンを触ってみて、違和感なく使えることが大事だと思っています。G-Tuneのパソコンの良さを伝えるためにイベントへの協力を積極的に行っていく、というのが出発点です。
それから発展していって3年前から協力だけでなく、生放送などゲームに関わることやゲーミングPCを使って何かすること、例えばVRに関しては、VRあるところにG-Tuneあり、みたいな形で積極的にあらゆるプロモーションをしています。
(*Ocufesとは日本のVR開発者団体のこと)
当時はVRってまだまだ未知だったので、どういうパソコンが必要なのかが不安定でした。最初はmacbookで動いていたのにバージョンアップでスペックが足りなくて動かなくなりました。これはゲーミングPCの出番だと思いました。
また、Optimus機能の競合が発生しノートパソコンでVRへの出力ができないこともありました。そこでVR開発者から色々な意見を収集することにしました。まずはOptimusが駄目、だったらOptimusを無効にできるノートPCを作ろうじゃないか、となりました。ただ今後ノートPCでの環境がどうなるかわからないので、持ち運べるデスクトップという発想でLITTLEGEARが生まれました。
G-Tuneがプロゲーマーをサポートする目的とは?
一方、オフラインでのイベントは実際に来て触らないとわからないという限界があります。今はインターネットで動画配信等を活用し、G-Tuneの良さを伝えてくれるエバンジェリストが必要であると考えました。
ではどういう人がエバンジェリストになってくれれば説得力が出るかと考えた場合、プロゲーマーだろうと。プロゲーマーに限らずゲーム配信に携わってきた人にはファンがついています。「面白い」「こんなプレイしていみたい」と思っているわけです。
「G-TuneのゲーミングPCを使っているからゲームがヌルヌル動いていて、快適に配信できている。同じことやりたいならG-Tune触ってみて」とプロゲーマーに言ってもらえると、「色々なPCメーカーがあるけどそこまで言うなら試しにG-Tune触ってみようかな」という流れになることを狙っています。
つまりプロゲーマーは私達の代わりになって啓蒙してくれる理想的な人なのでサポートを積極的にしています。
GODSGARDENとG-Tuneの関係
実際、顔TVは格闘ゲームがメインではあるものの、他のゲームの配信もしています。多くのゲーマーは1つのゲームだけでなく色々なゲームをするものです。私もFFシリーズをやるときもあれば格闘ゲームをやるときもありました。
色々なPCゲームのジャンルがある中で、顔TVの視聴者が格闘ゲームだけやっているわけでないだろう、と思っています。ゲームは色々なジャンルがあって、色々な楽しみ方があるのですから。
だからかずのこ選手が良いといったものに対しては、格闘ゲーム以外のところにも影響するはずです。かずのこ選手を格闘ゲーマーだからこそ、という狭い視点では見ていません。
GODSGARDENにサポートをした経緯
で、総師範KSKが秋葉原に引っ越そうと言い出しまして、皆その気になったんですがGODSGARDENはいつもお金が有りません。で、僕が杉澤さんに泣きついたんです。
「秋葉原に行けばゲーマーも集まって、配信頻度も増えて、より宣伝にもなるはずです。ネーミングライツを買うと言う形で助けてもらえないでしょうか?」と。
「裏顔TV」は膨大なPVの有るニコ生のTOPにも毎回表示される人気番組ですので、広告の費用対効果ではとてもいい提案をしてもらったと思ってます。
また、GODSGARDENでG-Tuneを頑張って啓蒙して頂いているので、ずっとWin-Winの関係を続けられています。だから色々なことを積極的にやっていきたいと思っています。
そもそも最初はGODSGARDENて格ゲーのシーンを盛り上げたくて、ウメハラくん、総師範KSK、稲葉さんと僕の4人で最初始めたんです。ただ、お金が無くって本当に苦労していて。スタッフも交通費とかも自腹で出して、みんなで助け合ってやっていました。
視聴者の皆さんも格ゲーを大切に考えて居て、「格ゲーの大会(GODSGARDEN)をサポートしてくれるスポンサーの商品は買い支えなきゃ!」と言う感じでしょうか。みんな凄い危機感だったんです。
僕らとしてはマウスとかキーボードとか比較的単価の安いデバイスのスポンサードは過去にお願いしたことがあったんですが、どれも結構売れるんですが単価が安いため、同じくらいの数が売れるならゲーミングPCにしたほうが、スポンサーからこちらに頂ける費用も増えるかな、という狙いがありました。
パソコンってスペックが同じだと似たような価格だったりもするし、それならGODSの視聴者の皆さんもGODSを応援しているメーカーのパソコンを買ってくれるんじゃないかなと思ったのも有ります。あと、同じスペックだとG-Tuneは比較的安いからお勧めし易いですしね。
ただゲーマーの配信がパソコンメーカーのスポンサーを獲得する、という実績がGODSGARDENにも、G-Tuneさんにも、そもそも業界全体にも全くなかったんです。
ですので、最初は無料でいいので、スポンサードしている体で顔TVのG-Tuneモデルを出してください。と提案したら、なんとかやってみましょうとご快諾頂けました。ただし、儲かったら分けてくださいと。(笑)
ファンの人達全体と一緒に盛り上げていった結果、1年以上に渡ってG-Tuneの売り上げランキングで1位を何度も獲得することができました。それができたので、かずのこにも良いスポンサードをして頂くきっかけになったんです。
G-Tuneさんからすると、GODSGARDENにスポンサードしてもその効果は未知数だったと思います。一方、僕らは宣伝したからと言って何かを失うわけではないので、宣伝してみたらたくさん売れて、じゃあもっと色々できますね、という流れで・・・。
こんなどこの馬の骨ともしれない集団に上場企業がスポンサードして、事故ったりしたら杉澤さんが怒られちゃうじゃないですか。
僕らは格ゲーのサークルでは有るものの、当時の僕の本職がレコード会社の会社員だったし、ほかにも放送作家さんが居たりしたので、許諾関係とかでいろんなメーカーさんと出来るだけトラブルが起こらないように連絡を取り合ったりはしていたんですけど。
(*Speed & Powerでお馴染みのCM。顔TVの配信の最初と最後に流れます。)
謎のCPUと対戦してたりとか。
GODSGARDENの強み
色々なメディアにそのメッセージを発信しているのですが、ゲーマーは新聞で情報を仕入れない可能性があります。ではゲーマーにどうやって伝えていけばいいかと考えた時に、やはり自分の好きな人が工場に潜入してみた、というエンターテイメントな要素とかあったほうがきっと皆さん見てくれます。
ガチガチ堅い雰囲気よりも少し緩くてわかりやすい訴求したい。だったらそういうプロに来て頂いて、ファンが紐付いているなら見て貰えるのではないかということでやってみました。
あの動画では飯山に行ってそこにいる人達と交流して、実際に飯山の工場で一生懸命作ってる様子を伝えました。自分たちを使ってもらえれば、長い時間をかけて知りたい人に濃い情報を届けられます。
かずのこの選手とG-Tuneとの関係
カプコンカップ2015の本戦前に本格的にスポンサードして頂けることになって、ご挨拶に来た時にプレッシャーをかけられるのかなと思っていたものの、そういうのは本当にまったくありませんでした。カプコンカップ2015ではいつも通り緊張することなく自分のプレイに集中することができました。それがカプコンカップ2015で優勝できた要因のひとつになったのではないかと感じます。
他のプロゲーマーの方は「ここで勝たないとまずい」という緊張やプレッシャーで自分の実力を出せないこともあるそうです。G-Tuneさんはむしろプレッシャーをかけないようにしてくれているので、本当に良いスポンサードして頂けてると実感します。
なので、格闘ゲームに対するモチベーションが上がったりはするのですけど、マイナス面は一切感じません。
G-Tuneがかずのこ選手をスポンサードした経緯
その時に我々GODSGARDENのスタッフもどうしよう・・・となってしまい、かずのこファンも「かずのこ可哀想」という状態でした。杉澤さんになんとか助けて頂けないでしょうかとお願いしに行ったら、杉澤さんはどうやって社内で調整や説得をするかまで考えてくださって、サポートしてくれるところまでいきました。
ただ、カプコンカップ2015本戦まで時間がなく、プレスリリースや社内稟議など諸々の調整や準備が間に合わない状態でした。でも発表はしていないけれど契約は完了というところまで進んでいたので、せっかくの大舞台ですから「じゃあG-Tuneパーカー着て出なよ」ということになりました。
そしたら着て優勝!(笑)
かずのこ選手が考えるプロゲーマーになるために必要な要素
【アンケート】
プロゲーマーに最も必要な要素は以下のどれだと考えていますか?#拡散希望— うらみん@ゲームPCバンク (@gamepcbank) 2016年11月5日
ただ強いだけだったら、アマチュアのプレイヤーにもたくさんいます。でも日本でプロゲーマーになっている人は凄く存在感がある人です。例えば女性プロゲーマーのチョコブランカさんに求められているのは、強さというよりかは「女性でも格闘ゲーム頑張れるんだぞ」とか「メディアに出てアピール」とか、存在感を出せているからプロゲーマーでいられるし、みんな応援してくれているのだと思います。
プロゲーマーは練習している姿を配信する等、そのゲームに対する活動を発信していって、興味を持ってもらわないといけません。プレイヤーに興味を持ってもらえれば、そのプレイヤーのスポンサーになろうとする企業が出るかもしれません。
格闘ゲームのプロゲーマー達は大体週1くらいは自分の活動を配信していると思います。大会だけではなく、普段からこういう活動していることをアピールしていく必要があります。
かずのこ選手から未来のプロゲーマーへのアドバイス
だから尊敬されるような選手にならないとプロゲーマーにはなれないと思います。あとは色々な活動をしているというアピールをしないといけないので、今だったらTwitter等のSNSアカウントを必ず作るとか配信するとか。ゲームだけ強くなればいいというわけではないってことを覚えて、自分を売っている活動をもっとすべきだと思います。
スポンサーから見たプロゲーマーになるために必要な要素
「スポンサードしてください」と言われても、「何ができるんでしょうか?」に対する答えがないと難しくなっちゃいます。これってスポンサードに限らずどんな仕事でも一緒だと思うんです。飛び込み営業でいきなり「うちの製品買ってほしいんです!」って言っても・・・それと同じだと思うんですよね。
だからプロゲーミングというシーンで活躍していくなら強さプラス活動の幅。つまりゲームの上手さだけじゃない自分の強みに取り組んでいく必要があるんじゃないかなと思います。
だから強みを理解してアピールできることが必要なのかな、と思います。
これからのG-TuneとGODSGARDEN
ビジネス臭を若干なくすと、人として皆さんとても素晴らしい方々なのでずっと長くやっていきたいのもそうですし、色々なヒントを頂けます。
「こうやったらどうかな、ああやったら面白くなりそう」と色んなアイディアを頂けます。PCメーカーとしてパソコンを売ることに特化した発想だけでなく、エンターテイメントを作る発想が(宮尾さんから)出て来るんですよね。
それってゲームシーンに特化して追っかけている皆さんだからこそ生まれてくるものです。今後もお互いに意見を出し合いながら、新しいアプローチの仕方などを模索していきたいと思います。
(インタビュー収録後にTeam:GODSGARDENに所属を発表したソウジ選手が11月22日に東京ヴェルディのeスポーツ部門にレンタル移籍と言う発表がされました。)
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