SSDにデフラグは不要!しかし定期的にやるべきことがある
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PCの動作が遅く感じたとき、「とりあえずデフラグしてみよう」と考える方は多いかもしれません。
確かにHDD時代は、デフラグはパフォーマンス改善の定番メンテナンスでした。しかし、SSDにデフラグは不要です。構造上意味がありません。
SSDはHDDとは仕組みが根本的に異なるため、デフラグは不要どころか、むしろ寿命を縮める可能性があります。
とはいえ、SSDにも定期的に行うべきメンテナンスは必要。今回は盲点になりがちなSSDのメンテ方法についてまとめてみました。
HDD時代の定番「デフラグ」とは?
まずは、「デフラグ」とは何かをおさらいしておきましょう。
デフラグとは「デフラグメンテーション(Defragmentation)」の略で、ハードディスク内でバラバラに保存されたファイルの断片を整理し、連続した領域にまとめる作業を指します。
HDDはディスクを物理的に回転させ、磁気ヘッドでデータを読み取る構造です。ファイルが断片化するとヘッドの移動距離が増え、アクセス速度が低下します。
そこで定期的にデフラグを行い、ファイルを連続配置に戻すことで、読み取り速度を改善するというのがHDD時代の常識でした。
SSDにデフラグが不要な理由
では、なぜSSDではデフラグが不要なのでしょうか。その理由は、SSDがHDDとまったく異なる仕組みで動作しているためです。
SSDは、フラッシュメモリにデータを書き込む仕組みであり、物理的な読み取りヘッドや回転ディスクは存在しません。ファイルが断片化していても、読み取り速度に影響を与えることはないのです。
さらに、SSDは書き込み回数に寿命制限があります。デフラグによる大量の不要な書き込みは、寿命を縮める原因になるので逆効果な可能性も。
ちなみにWindows 10以降ではデフラグツールの仕様が変更され、SSDでは「最適化」という別の処理(TRIMコマンドの実行)が行われるようになっています。
SSDに必要なメンテナンスとは
「では、SSDは放置しておいてもいいのか?」というと、それも違います。SSDには、デフラグとは別の定期的なメンテナンスが必要です。
具体的には、以下の3つですね。
TRIMコマンドの最適化
SSDで最も重要なメンテナンスが、TRIM(トリム)コマンドの実行です。TRIMは、削除済みファイルの情報をSSDに伝え、不要なデータを整理する命令です。
SSD内部で空き領域を正しく認識でき、書き込み速度の低下を防ぐ効果があります。
Windowsでは、「ドライブの最適化」機能でTRIMが自動的に行われています。設定画面から、「スケジュールによる最適化」が有効になっていることを確認しておきましょう。
容量の確保(空き領域を保つ)
SSDは、空き容量が少なくなるとパフォーマンスが低下します。内部のウェアレベリング(均等書き込み制御)やガベージコレクション処理に影響を与えるためです。
一般的には、総容量の10~20%程度は常に空けておくのが推奨されています。不要なファイルや使っていないアプリを定期的に整理し、容量を確保しておきましょう。
ファームウェアのアップデート
意外と見落とされがちなのが、SSDのファームウェアアップデートです。メーカーが提供するアップデートには、動作安定性やパフォーマンス改善、不具合修正が含まれていることが多いです。
古いSSDを長期間使用している場合は、メーカー公式サイトで最新のファームウェア情報を確認し、必要であればアップデートを行いましょう。
ちなみにsamsung製のSSDであれば「Samsung Magicianソフトウェア」を入れてしまうのが早いですね。
また、キングストンでも同じようなツール「SSD Manager」がありますね。
SSDのファームウェア更新は本当に気が付かないので、年に1回など定期的に確認しておきましょう。
SSDは基本的にメンテフリー しかし定期的なチェックは必ずやろう
SSDは、HDDとは異なる仕組みで動作するため、HDD時代の定番メンテナンス「デフラグ」は不要です。
しかし、TRIMコマンドによる最適化、容量の確保、ファームウェアアップデートといったSSD特有のメンテナンスは、定期的に行う必要があります。
SSDの特性を正しく理解し、必要なメンテナンスを行って寿命を延ばしていきましょう。