空冷ファンのトレンドは「渦巻き状」
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空冷用のPCケースファンはこれまで、一般的な換気扇のファンのような幅広のプロペラ形状が大半でした。
しかし、ここ2~3年で徐々にファンブレードの形状が変わってきています。具体的には「渦巻き状」のファンブレードが増えましたね。
この渦巻き状のファンが、いったいどのような効果を発揮するのか解説したいと思います。
XPGにサイズ…渦巻き状ファンのブームが到来?
秋葉原をはじめとした電気街では、この2年ほどで空冷用ケースファンのトレンドが徐々に変わってきているようです。
聞くところによると「高静圧」「高耐久」を売りにした渦巻き状のケースファンがよく売れているのだとか。
高耐久はわかりますが、「高静圧」はちょっと聞きなれない言葉ですよね。私も最近になった知ったのですが、「静圧」とは「空気の圧力」のことなのだそうです。
これまでのファンは最大風量が注目されてきましたが、実際の冷却で重要になるのは「風量」よりも「静圧」、つまりどれだけ風をしっかり送り出せるか。
静圧が高いほどエアフローを効率よく生み出しやすく、結果的に冷却能力が高くなるというわけです。
この静圧を高めるためなのか、ファンブレードの形状が徐々に渦巻き状に変わってきました。例えば代表的なファンを挙げると、
- XPG VENTO PRO 120 PWM
- Thermalright TL-B12
- サイズ Wonder Snail 120 PWM
などがありますね。いずれも渦巻き状のファンブレードです。また、スペックにもしっかり「静圧」が記載されています。
静圧の単位は「H2O」や「Pa」であらわされており、基本的には数値が高いほど送風能力が高いと考えてよさそうです。
風量は発生する風の絶対量で、それをどれだけの圧で送れるかが静圧というイメージですね。この2つを高める方法として、渦巻き状のファンブレードが適しているのでしょう。
渦巻き状ファンブレードのメリット
実は上で紹介したファンはすべて、同じようなメリットを打ち出しています。それは、
- 送風能力が高い(冷却能力が高い)
- 高耐久
- 静音仕様
という3つです。いずれも空冷用ケースファンには欠かせない要素ですよね。特に静音性はかなり向上しているようで、2000rpmを超えても騒音値が30dBA未満になる製品もあるほど。
30dBAは深夜の外の音やささやき声程度と言われているので、いわゆる「耳を凝らさないと聞こえない」といったレベル。
12センチ以上のファンを2000rpmで稼働させると、高負荷状態でも十分に対応できる冷却能力が得られます。この冷却能力でこれだけ静かならば、空冷用ファンとしては相当優秀です。
渦巻き状ファンブレード+4隅防振ゴム仕様がトレンドに
また、渦巻き状ファンブレードに加えて、ファンの4隅に防振ゴムパーツを配置した製品も増えています。
ちょっと前まではサイズのKAZE FLEXが目立っていたのですが、Thermalrightなどほかのメーカーも積極的に採用し始めましたね。
個人的に、4隅がゴム仕様になっているとビビリ音が出にくく取り付け部分の劣化も遅い印象があるので、喜ばしいことです。
しばらくこのトレンドは続きそうですから、空冷用ケースファンの入れ替え時には、渦巻き状ファンを検討してみてはいかがでしょうか。