なぜゲーミングノートPCに「セルラーモデル」が少ないのか
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最近はあまり聞かなくなりましたが、数年前に「セルラーモデル」が大流行した時期がありました。
セルラーモデルとは簡単にいえばインターネット通信機能を内蔵したデジタルデバイスのことです。ノートPCがメインで、タブレットにもありますよね。
しかし、セルラーモデルはゲーミングPCとして売られることがほとんどありません。今回は、セルラーモデルがゲーミングPCに少ない理由を考察してみます。
セルラーモデルとは?
セルラーモデルとは、モバイルデバイスやノートパソコンなどが携帯電話網を通じてインターネットに接続できるようにする技術を指します。
フリーWiFiやWifiネットワークの範囲外でも、自分自身の通信機能を使ってインターネット接続が可能となるので、非常に使い勝手が良いことが特徴。
セルラーモデルのノートPCには、SIMカードを挿入するスロットが搭載されていることが多いですね。格安SIMのカードを仕込んでおけば、LTE世代の通信を広範囲で利用できるので、移動中や外出先でのゲームも可能です。
一般的によく知られるセルラーモデルは、やはりiPadでしょうね。Wifiモデルとセルラーモデルがありますが、よく売れるのはWifiモデル。セルラーモデルは通信機能がある分だけ高いのですが、あまり見かけません。
そもそも、現在ではセルラーモデルがマイナーな存在で、ノートPCでもあまり搭載されなくなりました。特にゲーミングPCではほとんど見かけないですよね。
ゲーミングPCになぜセルラーモデルが無いのか
本来、ゲーミングPCとセルラーモデルは相性が良いはずです。場所や時間に縛られずゲームをプレイできる環境を、単独で作れるのですから。
しかし、実際には大手のゲーミングPCメーカーにおいて、セルラーモデルはほとんど売られません。その理由を考えてみました。
高帯域幅要求
ゲームは高速で安定したインターネット接続を必要とします。しかし、キャリアから提供されるモバイルネットワークの品質では、固定の光回線接続と比較して遅延が大きくなる傾向があるわけです。
特にオンラインゲームにおいて重要な「同期処理」はピング値やジッター値の影響を強く受けるので、モバイルネットワークの「粗さ」は致命的になり得ます。
最高のパフォーマンスを求めるため、セルラー接続よりも有線接続や高速Wi-Fiプランにするユーザーが多いのでしょうね。
データ使用量の問題
オンラインゲームは大量のデータを消費します。セルラーモデルの通信はSIM、つまりキャリアのデータ容量プランの中で行われるので、どうしても容量が足りなくなりがちです。
楽天モバイルの上限なしプランならば3000円弱で使い放題ですが、3000円払うならば固定回線も検討対象になるわけで、必ずしもセルラーモデルである必要がないですよね。
バッテリー持続時間
ゲーミングPCは高い性能を持つ反面、消費電力が大きく、バッテリーの持続時間が短くなりがちです。セルラーモデルは通信機能でも電力を消耗するので、どうしてもバッテリーの持ちが悪くなります。
長時間のプレイでは、余計な電力消費がない通常モデルのほうが好まれるのかもしれません。
市場の需要
ゲーミングPCの主要なユーザー層は、自宅や専用のスペースでの使用を前提としています。移動中にゲームを楽しみたいという需要は、高性能スマホやiPad、ポータブルゲーミングPCが担うようになりましたからね。
15インチサイズのゲーミングPCは、もはや固定して使うものというイメージが強いのかもしれません。
ポータブルゲーミングPCがセルラーモデルの主役に?
もうひとつ、理由として考えられるのがポータブルゲーミングPCの台頭ですね。個人的には最も大きい理由だと思います。
GPD WINから始まったポータブルゲーミングPCの潮流は、ひとつのトレンドになりました。このポータブルゲーミングPCには、LTEモジュール内蔵、つまりセルラーモデルが多いのです。
両手で持てるスマホサイズの筐体に通信機能が内蔵されているので、使い勝手は非常に良いでしょう。移動先の空き時間にゲームをする、しかもWifiスポットを気にせず、という需要にマッチしています。
今後セルラーモデルはポータブルゲーミングPCに集約されるのかもしれません。気になる方は是非チェックしてみてください。まだまだ高額ですが、非常に使い勝手がよく便利ですよ。