PCケース内の電源配置:上方配置と下方配置の比較
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ゲーミングPCを組み立てる際に重要な要素の一つとして、電源の配置場所が挙げられます。近年のPCケースでは、電源ユニットの配置場所が上方配置から下方配置へと変わってきました。
ほんの10数年前までは上方配置が主流だったのですが、いつごろから電源の配置が下方に変わったのでしょうか。上方配置と下方配置の特徴、そしてそれぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。
電源配置の変遷
昔のPCケースでは、電源は上方配置が一般的でした。これは、古いタイプのPCケースが電源を上部に配置する設計であったためです。
しかし、近年のPCケースはデザインや冷却性能の向上に伴い、電源配置が下方に変更されるケースが増えてきました。
電源の下方配置が一般的になった時期は、おそらく2000年代の中盤からです。Antecがリリースした名PCケース「P180」で下方配置が採用され、人気を博したことがきっかけと考えられます。
また、下方配置が一般的になったことで。冷却性能の向上とケースデザインの変化が大きな影響を与えました。
上方配置と下方配置の特徴とメリット、デメリット
では、実際に電源を上に置くか下に置くかでどのような違いがあるのかとまとめていきましょう。
上方配置
特徴
昔のPCケースに見られる配置方法で、電源がケースの背面上部に取り付けられます。パソコンの歴史をみると、初期から一般的に採用されていました。
ケース内の上部にエアフローが確保されるため、CPUクーラーやGPUによる冷却性能が向上することがあります。
メリット
初期のPCは電源ファンが排気ファンも兼ねていました。これを利用してケース内の上部にエアフローを発生させるので、CPUを冷やしやすくなります。
また、熱い空気は上へ上へと向かうため、排熱効率が向上する場合があります。
デメリット
空気の流れが下から上へと向かうため、ダストや汚れが上部の部品に集まりやすく、メンテナンスが必要となる場合があります。
ケース内の上部にケーブル類が集中するため、冷却ファンの追加やケーブルの整理が難しい場合があります。
さらに、ケースの重心が上方にあるので、不安定になりやすいこともデメリットですね。
下方配置
特徴
近年のPCケースに見られる配置方法で、電源がケースの下部に取り付けられます。現代のPCケースの多くは、下方配置を採用していますね。
メリット
ケース内の下部にケーブルが集まるため整理しやすく、なおかつ上方に空間ができるので冷却ファンの追加が容易です。
ダストや汚れが下部に集まりやすく、メンテナンスが比較的容易に行えるようになります。また、ケースの全体的な安定性が向上し、転倒などによるダメージを軽減も期待できますね。
デメリット
ケース内の下部へとエアフローが分岐されるので、CPUの冷却効率は若干落ちる模様。しかし最近のPCケースは電源ファンとは別に背面ファンがあるので実質的なデメリットにはなりません。
むしろ、グラボを冷やすためには下部にもエアフローが発生したほうが良いので、現代向きの構成ですね。
現代はほぼ下方配置一択
以上、上方配置と下方配置を比較すると、どう考えても現代ならば下方配置一択ですね。
上方配置は、PCに今ほど冷却が求められていなかった時代に、CPUを中心としたエアフローを構築する場合に有効でした。
しかし、グラボとCPUを同時に効率よく冷やすのであれば、下方配置でしっかりと空間を確保したうえで背面と天板から効率よく熱気を排出すべきです。
ちなみに下方配置のきっかけになったAntecのPシリーズですが、現在でも「P10 FLUX」などよくできたケースが発売されていますよ。参考にしてみてください。