ヒートシンクの両面テープ付けがNGな理由
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ゲーミングPCパーツには熱を放出させるための「ヒートシンク」が使われています。
このヒートシンクですが、通常はグリスや専用の接着パーツなどで組み付けますよね。しかし、これらがない場合、両面テープで接着してしまう人がいます。
実は両面テープでの接着には複数のリスクがあるため、あまりおすすめできません。
接着力、熱伝導力の2点でNG
結論から言うと、両面テープでのヒートシンク設置はNGです。その理由は「接着力」と「熱伝導力」の2点で問題があるからですね。
耐熱テープでも安心できない
まず接着力についてですが、両面テープは高熱を発する物体の接着に対して、耐久力がそれほど高くありません。
耐熱両面テープという専用の商品もありますが、こちらは見てすぐわかるレベルで「厚みがありすぎ」ですね。
モノタロウなどで検索するとわかると思いますが、耐熱両面テープは0.8mm程度の厚さであることが多く、ヒートシンク用としてはちょっと使いにくいです。
ヒートシンクはCPUやGPU、M.2 SSD、マザーボードチップセットなど微細な点を接着しますので、0.8mmも厚さがあるとぐらつきなどの原因になります。
ということで通常の両面テープを使う人が多いのですが、こちらは耐熱性がなく、高温状態が続くPCパーツの接着では脱落の危険性があるのです。
熱伝導力が低い
ヒートシンクは対象の熱を吸い上げて空気中に放出する役目を持っています。しかし、対象からヒートシンクへと熱を伝導するためには、間に挟まっている素材の熱伝導性も重要です。
一般的にはCPUやGPUに使われるグリースが適していますが、グリースが添付しにくい場所にはサーマルパッドが使用されることもありますね。
これらは熱伝導性を十分に考慮されて作られている、いわば「専用品」です。しかし両面テープは熱伝導性を考慮されておらず、適正温度化での粘着力のみにフォーカスしています。
当然のことながら、ヒートシンクと対象の間にある両面テープがうまく熱を伝導できなければ、冷却能力は落ちます。
耐熱タイラップという選択肢は?
逆転の発想になるのですが、ヒートシンクと対象物体を外部から縛ってしまうという方法があります。
いわゆる「タイラップ」「インシュロック」と呼ばれるプラスチック製の結束バンドを使うわけですが、こちらも通常のものは耐熱性が低いです。
なので、耐熱タイラップを使用するという方がいました。実は私も耐熱タイラップでM.2 SSDとヒートシンクを固定したことがあります。
理由は、M.2 SSDに標準で付属してくるヒートシンク用のテープを不注意で紛失したためですね。応急処置のつもりで耐熱タイラップを使ったのですが、1年ほどは全く問題ありませんでした。
CPUやGPUではスペースの関係から耐熱タイラップを使うことが難しいのですが、M.2 SSDならばある程度は問題ないかもしれません。
ただし、耐熱性はあったとしても絶え間なく続くエアフローと乾燥した環境にさらされるので、耐候性が強い製品を選びたいところ。
個人的には日光に晒されるわけではないので、すぐに劣化するとは考えにくいのですが、1年程度を目処に交換しておきたいですね。
ヒートシンクの接着は必ず専用品を使う
M.2 SSDはヒートシンクを設置するだけで10℃以上温度が下がるので、ぜひとも設置しておきたいところ。
ただし両面テープやタイラップはあくまでも応急処置であって、年単位で使うものではありません。
安いもので良いので、シリコングリースや熱伝導テープ、サーマルパッド、熱伝導ゲルなど専用の製品を使いましょう。