同一グレードのグラボで値段が違う理由
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ゲーミングPCと言えばグラボですが、まったく同じグレードのグラボでも価格差がありますよね。
例えばRTX3060でも、最安値は72000円・最高値83000円と約1万円の差があります。まったく同じ基準で作られているにもかかわらず、なぜここまで価格差が生じるのか、その理由を整理してみたいと思います。
CPUには無いのになぜ?グラボの価格差
ゲーミングPCの性能を決める2大パーツといえばCPUとグラボですよね。
ご存じのとおり、CPUの価格は基本的に「同一グレード内で同じ」になっています。
ショップごとの値引きやセールなどを除けば、大体どこで買っても「Core i5 11400は22000円くらい」になりますよね。
しかし、グラボは同一グレードであっても最大で20%ほどの価格差が生じます。このようにグラボだけ価格差が生じる理由としては、
- グラボはCPUとは異なり「リファレンスモデルのほかに独自設計モデルが存在する」
- 独自設計モデルの内容によって価格差が大きくなる
という2点が挙げられるでしょう。CPUの場合、IntelやAMDが直接販売しており、「リファレンスモデル=その製品の標準価格」と考えて良いわけです。
しかしグラボの場合は、NvidiaやAMDが直接販売するモデルではなく、この2社が発表した仕様に基づいて独自の設計を上乗せした「ベンダーの独自モデル」が主流なのです。
そのため、ベンダーごとの仕様の差の分だけ、価格が上下することになります。
グラボの価格差はどこで決まっているのか
では、グラボの価格差をもう少し詳しく掘り下げてみましょう。以下は、グラボの価格差を決定づける要素です。
グラボ自体のクロック数
ビデオカードの中核となるチップグラボコアをどの程度の速さで動作させるかは、ベンダーによって異なります。
一般的に「OCモデル」と呼ばれる製品は、リファレンスよりも高いクロック数で動作するため、価格も高めです。
ビデオメモリ
グラボが利用する専用のメモリで、計算を行なうための作業領域やキャッシュ、レンダリングした映像を一時格納しておくフレームバッファなどに使用されます。
メモリ容量が多かったり、メモリクロックが高かったりするとグラボ自体の価格も高くなるため、この点も価格を左右する大きな要素です。
電源回路
グラボは非常に消費電力の高いデバイスで、安定動作のためには精密な電源回路が不可欠です。マザーボードのように電源回路が幾重にも設置されており、動作クロックが高い製品ほど電源回路も大規模になります。
冷却ファンの構造
一般的にシングルファンモデルは安く、ツインファンやトリプルファンモデルは高価です。
ファンの数=冷却性能なので、OCモデルにはトリプルファンなどが搭載されることが多いですね。ファンの数と形状は、ベンダーごとの差が最もよくでるポイントだと思います。
大きさの差=価格差=電源回路と冷却の差
CPUとは異なり、「核」であるGPUコア以外の部分にかなり手を加えられるため、同じグレードであっても性能が変わってくるのです。
一般的にはGPUコアやメモリの動作クロックが上がれば、電源回路や冷却機構が大きくなり、価格も高くなります。これは前述のとおり、高クロックの動作を支えるための電源回路や冷却ファンが必要だからですね。
もしできるだけ安くグラボを買いたい場合は、OCされておらずファンの数が小さいモデルを狙うとよいでしょう。個人的にはMSIのシングルファンモデル「AERO ITXシリーズ」や玄人志向の製品が好きですね。参考にしてみてください。