BIOS更新失敗で起こりえることまとめ
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最近ではほとんど聞かなくなりましたが、「BIOS更新」は自作PC愛好者にとって鬼門のひとつであり、トラブルの原因でもありました。
今でも、まれにBIOS更新によって新しいCPUに対応することがあるため、年に1度くらいは相談を受けます。
結構よく聞かれるのが「失敗するとどうなるの?」という内容。かなり古い記憶ですが、私も何度かBIOS更新に失敗したことがあります。今回はBIOS更新に失敗したときに起こることをまとめてみました。
完全な起動不可(ブリック状態)
BIOS更新に失敗すると、いわゆる「ブリック状態」になります。これはBIOS更新の失敗において最も深刻な状況です。
ブリック状態とは、マザーボードが完全に機能しなくなることを指しています。ちなみにブリックとはレンガのこと。日本語で今風に言うと「置き物状態」ですね。
BIOSが破損し、マザーボードが起動プロセスを開始できなくなった状態になると陥るのですが、こうなってしまうと普通の人は復旧させることができません。
CMOSクリアによって設定値をリセットするか、一部の高性能マザーに搭載されているバックアップ領域から復旧させる必要があるでしょうね。
ただし、一般的にはマザーボード自体の交換か、専門の技術者によるBIOSチップの書き換えが必要になるため、メーカーへ送ることになりそうです。今はほとんどこの状態になりませんが、最悪のケースとして覚えておきましょう。
ハードウェアの不正確な認識
BIOSはシステムのハードウェアコンポーネントを認識し、初期化する役割を担います。更新に失敗すると、CPUやメモリ、ストレージデバイスなどが正しく認識されなくなる可能性があり、システムの不安定化やパフォーマンスの低下が生じることがあります。
たとえば、メモリの速度が正しく設定されない、特定のSSDやHDDが見つからないなどの問題が発生するかもしれません。意外と気が付かないのですが、結構厄介な状態ですね。
複数のストレージがある場合は気が付かないまま使ってしまっていることもあるので、BIOS更新後はデバイスマネージャで「!」マークが無いかを確認しましょう。
オーバークロックとパフォーマンス設定の失敗
BIOSはCPUやメモリのオーバークロッキング設定を含む多くのシステムパフォーマンス設定を管理します。
更新失敗により、これらの設定がリセットされたり、不安定になったりすることがあります。結果として、システムが過熱したり、不安定になったりするかもしれません。
インターフェースと拡張機能の不具合
マザーボードの拡張スロットやI/Oポート(USB、HDMIなど)はBIOSによって管理されています。更新失敗により、これらのインターフェースが正しく機能しなくなることがあります。
例えば、USBデバイスが認識されなくなる、ネットワーク接続が不安定になるなどの問題が起こり得ます。これも気が付きにくいのですが、結構頻繁に起こるイメージです。
特にUSBの認識不良は何度か体験しました。ハードウェアの故障と見分けがつきにくいので、BIOS更新後はUSBの総チェックもやっておきたいところです。
セキュリティ機能の欠陥
現代のBIOS(UEFIファームウェア)には、セキュリティ機能が組み込まれています。更新失敗は、これらセキュリティ機能の機能不全を引き起こす可能性があり、システムを脆弱な状態にさらす恐れがあります。
例えば、セキュアブートの不具合やファームウェアレベルの保護機能の失効などあり、セキュリティ重視でマザーボードを購入した場合は注意しておきたいところ。
最近のマザーボードではクリティカルな失敗でも復活可能
こうした不具合は昔のマザーボードならばかなり面倒なものでしたが、最近のマザーボードにはデフォルトで復旧機能が付与されているので、そこまで大きな問題にならないかもしれません。
例えば、MSIの「Flash BIOS」では、CPUやメモリがない状態でもBIOSを簡単にアップデートできるため、もし更新に失敗しても電源につなぐだけでBIOSの修復が可能です。
ASUSでも「BIOS FlashBack」を使ってほぼ同様のことができます。なので、BIOS更新も昔ほど鬼門ではなくなりました。
とはいえ、いまだに失敗リスクがあることには変わりがないので、できればBIOSはそのまま使い続けたほうが良いかもしれませんね。