CPUに「劣化」はあり得ない!ではなぜ遅くなるのか
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CPUは理論上、経年劣化しないパーツと言われています。しかし、実際に世代が古くなってくると、PC全体の挙動が重く不安定になったりしますよね。
タスクマネージャーからパフォーマンスを見ても、以前より使用率があがっていたりします。これをCPUの劣化と考える人がいるようなのですが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回はCPUに発生するはずのない劣化について考えてみます。
寿命が測定しにくいCPU、実際には10年超が定説?
まずCPUの物理的な寿命ですが、これはさまざまな説があります。代表鄭なのは、CPUは非有寿部品(明確な寿命が存在しない部品)に該当し、寿命という概念自体がないという説。
一方、エレクトロマイグレーション(集積回路内部の金属配線に電流をはがすことで金属電子が移動する現象)によって配線が摩耗するため、10年強で寿命を迎えるという説もあります。
また、半導体チップは結晶構造を持つ個体であり、密封さえしていれば100年単位の寿命を持つという説もあります。
私の個人的な体験から言えば、CPUの寿命を感じるような壊れ方はありませんでした。例えばPCが重くなってきた、使用率が上がってきたといった場合でも、別のPCに移し替えてOSをクリーンインストールすればまたサクサクな状態に戻りましたね。
ということで、CPU自体の経年劣化は体験したことがありません。これはPCを使うほとんどの人に言えることだと思います。しかし、PCの処理能力が落ちたな…と感じることはあるわけです。なぜなのでしょうか。
落ちているのはCPU以外の能力
PCの処理能力が落ちる理由の大半は、CPU以外の部分にあります。例えば以下のようなケースです。
グリスやフィンの劣化
経年によってCPUグリスの硬化が起こる、冷却フィンが目詰まりするなどの理由で、冷却機能が劣化してきます。
これによりCPUの温度が上昇し、CPUの保護機能(サーマルスロットリング)が発動し、一時的に速度が低下する可能性があります。
レジストリの肥大化
Windowsマシンではアプリケーションを大量に入れることでレジストリが肥大化し、レジストリの読み込みに時間がかかるようになります。
さらに一時ファイル(TEMPファイル)が蓄積し、作業領域を圧迫して動作が遅くなることもあるでしょう。
常駐アプリでCPUが常に忙しくなる
PCを使い続ける中で常駐アプリが増えていき、CPUが外部との通信やI/Oスキャンに処理能力を割かれた結果、性能が低下するという可能性もあります。
ゲーミング用途ならばCPUの依存度はかなり低い
また、ゲーミング用途に限って言えば、性能の良しあしはほとんどがグラボで決まってしまいます。
CPUはグラボの能力を「下支え」するパーツにすぎず、CPUが多少速くなったところで実際のプレイ品質には何の影響もありません。もちろん、多少の劣化も体感できないでしょう。
それよりも、グラボのスペック不足(冷却不足を含む)による処理能力低下のほうがはるかに体感しやすいわけです。
現在は昔と違い、CPUの造りもだんだんと効率化されているので、非有寿部品と呼ぶにはふさわしくないかもしれません。荷重による曲がりなど、毎年のように何かしら問題が出ていますしね。
しかし、それでもCPUはほとんど劣化を体感できない部品であり、PCの性能低下はCPU以外であることが大半なのです。もしCPUの使用率が上がったり、PCの動作が遅くなったりといった場合には、CPU以外の部分から調べてみるべきかもしれません。